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竈
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かま
ふりがな文庫
“
竈
(
かま
)” の例文
構えたままで、後へ退がり、
竈
(
かま
)
の前まで、ツツ——と行く。そこで初めて刀を下げ、パチンと鞘に納めたが、以前の場所へ端座した。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その敷物が夜分の寝床にもなりますので、隅にはその室付の
竈
(
かま
)
が一つ、その上に
土鍋
(
どなべ
)
が一つ、それから水を入れる土の
罎
(
びん
)
が一つある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
と、肩から下ろした八弥の体は、たちまち、真っ黒な
竈
(
かま
)
の胎内へ、
薪
(
まき
)
を押し込むように、無理無態に、詰め込まれてしまった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
煙突の
煤
(
すす
)
は濃厚に人間の脂肪を含んで居り、人体をある程度に細断すれば、この
竈
(
かま
)
で容易に焼却できたろうと博士がいった。
青髯二百八十三人の妻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
千代子は「おお
厭
(
いや
)
だ」と
云
(
い
)
い
放
(
ぱなし
)
にして、さっさとまた
並等
(
なみとう
)
を通り抜けた。
宵子
(
よいこ
)
の
竈
(
かま
)
は上等の一号というので、扉の上に紫の幕が張ってあった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
町の家々ではいろ/\の形をした陶器が、
竈
(
かま
)
へ入れられるばかりに仕上がつて
列
(
なら
)
んでゐた。私は老人達と一緒に道ばたの茶店によつて昼飯をとつた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
お
竈
(
かま
)
の下を焚きつけておいて、門口の雪を掃きましたが、——いえ、雪はほんの一寸ばかり、掃かなくたってよいくらいでしたが、御近所の手前もあり
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
柿右衛門
(
かきえもん
)
が、
竈
(
かま
)
のまえにしゃがんで、垣根のそとの道をとおるお百姓と朝の挨拶を交している。
碧眼托鉢:――馬をさへ眺むる雪の朝かな――
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ういういしい女房のように、土間の
竈
(
かま
)
の下を焚きつけていたお藤が、姐さん
被
(
かぶ
)
りの下から
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
公の保護で
竈
(
かま
)
が盛になって行くところ、すべてよい majolica がオランダもの同様十五世紀から始って、十六、七世紀どまりになって居るところ——機械工業以前にあり、且
日記:10 一九二四年(大正十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
大なる
踏鞴
(
たたら
)
というものを作り、それを足で踏んで盛んに炭の火を起こし、金属を鎔解していろいろの器物を造る人ばかりが、山に
竈
(
かま
)
を築いて多量の炭を製するの必要を持っていたゆえである。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
重兵衛 (
上
(
かみ
)
のかたを指さす。)
竈
(
かま
)
はこの小屋のうしろにあります。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
色あかき煉瓦の
竈
(
かま
)
の
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
今日も陶器師は
竈
(
かま
)
の前の
筵
(
むしろ
)
の上に坐っていた。久しぶりでお山も晴れ、熱い夏の陽が広い裾野を黄金の色に輝かせている。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ところが、かえって、悪人ばらの
陥穽
(
かんせい
)
に墜ちて、この炭焼小屋の
竈
(
かま
)
の中に抛り込まれて、
彼奴等
(
きゃつら
)
の眼前で、蒸焼きにされてしまうところだった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真鍮
(
しんちゅう
)
の掛札に何々殿と書いた
並等
(
なみとう
)
の
竈
(
かま
)
を、薄気味悪く左右に見て裏へ抜けると、広い
空地
(
あきち
)
の
隅
(
すみ
)
に
松薪
(
まつまき
)
が山のように積んであった。
周囲
(
まわり
)
には
綺麗
(
きれい
)
な
孟宗藪
(
もうそうやぶ
)
が
蒼々
(
あおあお
)
と茂っていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
上
(
かみ
)
のかたには寝室用の狭き
一間
(
ひとま
)
、それに破れ障子を閉めてあり。
下
(
しも
)
のかたには型ばかりの竹窓あり。炭焼の
竈
(
かま
)
は家の外、
上
(
かみ
)
のかたの奥にある心にて、家の左右には杉の大樹、
薄
(
すすき
)
なども生い茂っている。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
楢薪
(
ならまき
)
で組んだようなほッたて小屋に住んで、三つの
竈
(
かま
)
で焼く炭は、すべて含月荘の台所へ納まることになっている。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
パチパチと時々音のするのは、
竈
(
かま
)
で
刎
(
は
)
ねる
薪
(
まき
)
であろう。真珠色をした太い煙りがその口から立ち上る。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
丘の赤松の蔭からは、
瓦
(
かわら
)
焼きの
竈
(
かま
)
の煙が、まっすぐに立ち昇っていた。それを見ても、風のないのがわかる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ワラが赤くなった! ワラが赤くなった!
積
(
つ
)
みあげてある
馬糧
(
まぐさ
)
のいちめんから、
雨上
(
あめあ
)
がりの
火山
(
かざん
)
か、
芋屋
(
いもや
)
の
竈
(
かま
)
のように、むっくり……と白いけむりがゆらぎはじめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おやじは今戸焼の
竈
(
かま
)
を
打
(
ぶ
)
ちこわして、江戸の外へ逃げ出す寸法なんで……、なぜかって旦那、まごまごしていれば、すぐ仲間がその仕返しに命を助けてはおきませんからね。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この辺には、
陶器
(
やきもの
)
つくりの
竈
(
かま
)
が
所々
(
しょしょ
)
にあるので、そこで火入れをする日には絶えず煙が近所をいぶしている。けれど、その煙が去った後は、春先の空がよけいに
美麗
(
きれい
)
に見られた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちにまた、庭の隅にある
竈
(
かま
)
で、茶碗や皿を焼いてお目にかけましょう。刀剣も刀剣ですが、
陶器
(
やきもの
)
もなかなか興のあるものですから、あなたもなにか一つ、土を
捏
(
こ
)
ねて試みてごらんなさい
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“竈(かまど)”の解説
かまど(竈)は、穀物や食料品などを加熱調理する際に火を囲うための調理設備。
(出典:Wikipedia)
竈
漢検準1級
部首:⽳
21画
“竈”を含む語句
土竈
竈馬
焼竈
竈辺
塩竈
病竈
竈山
瓦斯竈
竈場
大竈
石竈
竈神
庭竈
炭焼竈
泥竈
竈河岸
炭竈
土泥竈
七竈
竈屋
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