碧眼托鉢へきがんたくはつ――馬をさへ眺むる雪の朝かな――――うまをさえながむるゆきのあしたかな――
「ボオドレエルに就いて二三枚書く。」 と、こともなげに人々に告げて歩いた。それは、私にとって、ボオドレエルに向っての言葉なき、死ぬるまでの執拗な抵抗のつもりであった。かかる終局の告白を口の端に出しては、もはや、私、かれに就いてなんの書くこと …