茶釜かま)” の例文
湯杓子ゆびしゃくを、茶釜かまに入れながら、夫人は、思わず聞きれていた。良人の顔をそっと見ると、内匠頭も同じ気もちに打たれているらしい。じっと耳をすましていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて妙秀が茶釜かまに対して沈黙し、光悦が絵筆を持って背を向けてしまうと、武蔵は、たれと語りようもなく、また、なにを楽しむすべも知らず、憶い出されるものは、ただ退屈と
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
茶をたてて楽しむことが目的ならば、なにもわざわざ茶釜かまや茶碗を持って来て、物好きな不自由をしないでも、本阿弥家ともいわれる旧家である。住居すまいにはよい茶室もあるに違いない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妙秀は、茶釜かまの湯のたぎりを待ちながら
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)