“災(さい)” の例文
之に遇えば物に害あり。故(ゆえ)に大厲(だいれい)門に入りて晋景(しんけい)歿(ぼっ)し、妖豕(ようし)野(の)に啼(な)いて斉襄(せいじょう)殂(そ)す。禍(か)を降(くだ)し妖(よう)をなし、災(さい)を興(おこ)し薜(せつ)をなす。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ならば申すが……卦(け)には“血光(けっこう)の災(さい)”という大凶が出ている。百日を出ぬまに、当家の財は崩れ、あなたは剣難に遭って一命を終るでしょう」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予再(ふたた)び家を東京に移(うつ)すに及び、先生直(ただ)ちに駕(が)を抂(まげ)られ、いわるるよう、鄙意(ひい)、君が何事か不慮(ふりょ)の災(さい)あらん時には、一臂(いっぴ)の力を出し扶助(ふじょ)せんと思い居(お)りしが
元(もと)より道路改修の為とあれば止むを得ざるには似たれども、これが為に百尺(ひやくせき)の枯龍(こりゆう)斧鉞(ふゑつ)の災(さい)を蒙(かうむ)るもの百千なるべきに想到すれば、惜みても猶(なほ)惜むべき限りならずや。
新佃島から——明治四十年代から大正震災(さい)すこし前まで住んでゐた——宅(うち)の門前から永代橋まで渡船をつくらせたことがあつたが、ある宵、あんまりお客が乘りすぎて
河風 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
タメルランの後(のち)の哈里(ハリ)(Hali)雄志(ゆうし)無し、使(つかい)を安(あん)に伴わしめ方物(ほうぶつ)を貢(こう)す。六年、白龍庵災(さい)あり、程済(ていせい)募(つの)り葺(ふ)く。七年、建文帝、善慶里(ぜんけいり)に至り、襄陽(じょうよう)に至り、滇(てん)に還(かえ)る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
先生の居(きょ)、同じく戒心(かいしん)あるにもかかわらず、数十の生徒(せいと)を伴(ともな)い跣足(せんそく)率先(そっせん)して池水(いけみず)を汲(くみ)ては門前に運び出し、泥塗満身(でいとまんしん)消防(しょうぼう)に尽力(じんりょく)せらるること一霎(いっしょう)時間(じかん)、依(よっ)て辛(かろ)うじてその災(さい)を免(まぬか)れたり。