さい)” の例文
「此頃は江戸菊えどぎくが大変よくさいているのよ、江戸菊をもって来ましょうねエ。」とお富は首をちょっとかしげてニコリと笑って。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
これ此樣こんなうつくしいはなさいてあるに、えだたかくてわたしにはれぬ、のぶさんはせいたかければおとどきましよ、後生ごせうつてくだされと一むれのなかにては年長としかさなるをつけてたのめば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
菖蒲あやめさいていたそうでその花を一朝ひとあさ奇麗にもぎって、戸棚の夜着やぎの中に入れてあった。
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戸塚の駅の辺りで屋根の上に一八いちはつの花がさいているのを珍しく眺めた。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
つゝじさいて石うつしたる嬉しさよ
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)