“一戦”のいろいろな読み方と例文
旧字:一戰
読み方割合
ひといくさ60.0%
ひとそよ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「——まだ一戦もせぬうちから敵に気を呑まれてどうするか。ともあれ明日は一戦ひといくさして、彼の実力のほどを試みてみよう。評議はその上のことでいい」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、又右衛門は、音を聞くたびにつぶやいたが、まだまだもう一戦ひといくさして、名だたる敵の首でも挙げなければ、新しい箏も娘に求めてはやれない家計だった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、その衝撃が、忽ち火に落ちた錫箔の様に崩折れて、燃えあがるべき反抗心が、雑草を揺がす一戦ひとそよぎの風ほどの力しかないのを如何どうすることも出来なかった。
十姉妹 (新字新仮名) / 山本勝治(著)
日が暮れてからは、風が一戦ひとそよぎもしなかった。お増は腕車くるまから降りて、蒸し暑い路次のなかへ入ると、急に浅井が留守の間に来ていはせぬかという期待に、胸が波うった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)