一戦ひといくさ)” の例文
旧字:一戰
「——まだ一戦もせぬうちから敵に気を呑まれてどうするか。ともあれ明日は一戦ひといくさして、彼の実力のほどを試みてみよう。評議はその上のことでいい」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、又右衛門は、音を聞くたびにつぶやいたが、まだまだもう一戦ひといくさして、名だたる敵の首でも挙げなければ、新しい箏も娘に求めてはやれない家計だった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もし領主から買いに来ない場合は、戦後の死骸をぐか、落人を裸体はだかにするか、拾い首を届けて出るか、いくらでもやることがあって、一戦ひといくさあれば半年や一年は、自堕落じだらくにて食えるのであった。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)