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でう
語句 | 割合 |
條 | 52.2% |
条 | 21.7% |
疊 | 8.7% |
錠 | 4.3% |
出浮 | 4.3% |
絛 | 4.3% |
貼 | 4.3% |
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さすがに
隱しきれもせずに、
夫がてれ
臭い
顏附でその
壁掛の
包みを
解くと、
案の
條妻は
非難の
眼を
向けながらさう
言つた。
参りました
処は
堺町三
条北に
入る
町といふ、
大層六づかしい
町名でございまして、
里見忠三
郎といふ
此頃新築をした
立派な
家で
十六
日の
朝ぼらけ
昨日の
掃除のあと
清き、
納戸めきたる六
疊の
間に、
置炬燵して
旦那さま
奧さま
差向ひ、
今朝の
新聞おし
開きつゝ、
政界の
事、
文界の
事、
語るに
答へもつきなからず
明くれは
日曜、
終日寢て
居ても
咎むる
人は
無し、
枕を
相手に
芋虫を
眞似びて、
表の
格子には
錠をおろしたまゝ、
人訪へとも
音もせず、いたづらに
午後四
時といふ
頃に
成ぬれば
車の
門に
止まりて
優しき
駒下駄の
音の
聞ゆるを、
論なく
夫れとは
知れども
知らぬ
顏に
虚寢を
作れば、
美尾は
格子を
押て
見て、これは
如何な
事、
錠がおりてあると
獨り
言をいつて
「お前はこの頃
頻と色町に
出浮くさうだが、
怪しからん事だ、以後は
屹度慎んだがよからう。」
『モールスさんの
掘つた
方が
金持のコロボツクルが
居たので、
此所は
屹と
貧乏人が
居たんだらう』など
戯れて
居る
處へ、
車夫を
從へて二
絛公が
來られた。
梅の花は碧い空に
透して見た形が何とも言はれない。全く星である。空に
貼された星である。