この頃の庭は落葉で埋れて見る影もない。いかにも冬ざれといふ感じである。それに山の手は霜柱が深く立つて、塵埃が散ばつても、紙屑が風に吹き寄せられても、それを掃くことも出来ない。樹木もすべて死んだやうで、寒気の強い朝などには、厚ぼつたい常磐木の …
著者 | 田山録弥 |
著者 | 田山花袋 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「新潮 第四十二巻第三号」1925(大正14)年3月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約10分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約17分(300文字/分) |