“苔蘚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こけ66.7%
たいせん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
要垣かなめがき緑葉みどりばかこまれた墓があるかと思ふと、深い苔蘚こけに封じられた墓が現はれて来た。新しい墓もあれば、古い墓もある。或は五輪塔型、或は多宝塔型、其他いろ/\な型がある。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
雨の日には、こずえから雨滴あまだれがボタボタ落ちて、苔蘚こけの生えた坊主の頭顱あたまのような墓石はかは泣くように見られた。ここの和尚さんもやがてはこの中にはいるのだなどと清三は考えた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
私の家にあるやつは、銀世界の古物で、もう余程わるくなつてはゐるけれども、それでも苔蘚たいせんなどはかなりに多く、剣戟のやうな枝に一面に花をつけて碧空に聳えてゐる形はちよつと奇観である。
樹木と空飛ぶ鳥 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)