“苔生”の読み方と例文
読み方割合
こけむ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その塔の一つは、苔生こけむしたかわら屋根の頂に、あたかも額に縁無し帽子をかぶったかのように、こうのとり空巣あきすをつけていた。村の入り口に遠い十字路で、二人は泉の前を通りかかった。
冷徹れいてつな峡間は、湯滝の下に苔生こけむした天然林を抜け出して、戦場ヶ原をいく曲がり、龍頭りゅうずの滝を落ちて中禅寺湖へ注いでいるが、ここは渓流魚釣りの練習場として、まことに好適の流れである。
雪代山女魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
紫色のもやに浸ってる大木、灰色の像や柱頭、幾世紀もの光を吸収した王政時代の塔碑の苔生こけむした石、それらの上にしている光線の諧調かいちょうを——細やかな日光と乳白色の水蒸気とでできてる