“水干”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すいかん75.8%
すゐかん24.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
拝殿の神簾みすのかげに、今二つの御灯みあかしがついた。榊葉さかきばのかげに光る鏡をかすめて、下げ髪水干すいかん巫女みこが廊下の上へ静かに姿を立たせた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにかこまれて、沙金しゃきんは一人、黒い水干すいかん太刀たちをはいて、胡簶やなぐいを背に弓杖ゆんづえをつきながら、一同を見渡して、あでやかな口を開いた。——
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そのうちにやつとがついてると、あのこん水干すゐかんをとこは、もう何處どこかへつてゐました。あとにはただすぎがたに、をつとしばられてゐるだけです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
螺鈿らでん細太刀ほそだちに紺地の水の紋の平緒ひらをを下げ、白綾しらあや水干すゐかん櫻萌黄さくらもえぎに山吹色の下襲したがさね、背には胡籙やなぐひきて老掛おいかけを懸け、露のまゝなる櫻かざして立たれたる四位の少將維盛これもり卿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)