“沙金”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さきん80.0%
しゃきん20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時蜑崎照文あまざきてるぶみふところより用意の沙金さきん五包いつつつみとりいだしつ。先ず三包みつつみを扇にのせたるそがままに、……三犬士さんけんし、このかねは三十りょうをひと包みとせり。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
入れ代りに従者らしき男が一のう沙金さきんをおいて風の如くぷッと去ってしまった。なんたる大人たいじんぶり、いやきもッ玉だろう。てんで歯の立つ相手ではない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれは、悪事をつむに従って、ますます沙金しゃきん愛着あいじゃくを感じて来た。人を殺すのも、盗みをするのも、みんなあの女ゆえである。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
女は、白地にうす紫の模様のあるきぬを着て、市女笠いちめがさ被衣かずきをかけているが、声と言い、物ごしと言い、紛れもない沙金しゃきんである。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)