“すいかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
水干54.3%
酔漢13.0%
吹管8.7%
水旱6.5%
醉漢4.3%
水干衣2.2%
吸管2.2%
垂冠2.2%
推官2.2%
水関2.2%
翠鬟2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにかこまれて、沙金しゃきんは一人、黒い水干すいかん太刀たちをはいて、胡簶やなぐいを背に弓杖ゆんづえをつきながら、一同を見渡して、あでやかな口を開いた。——
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その様子が、病人や酔漢すいかんではなくて、どうやら死人ではないかと思われた。
「ええ、水晶のをね。酸水素吹管すいかんの炎で溶かしておいて、両方の手で、左右へ引っ張ると細い糸ができるのです」
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
路に錦江きんこうの嶮をひかえ、地勢は剣閣けんかく万峰ばんぽうに囲まれ、周囲二百八程、縦横三万余里、鶏鳴けいめい狗吠くはい白日も聞え、市井点綴しせいてんてつ、土はよく肥え、地は茂り、水旱すいかんの心配は少なく、国富み、民栄え、家に管絃あり
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なん醉漢すいかん心中しんちう暴露ばくろするのみようなる。さらすゝんで我妻わがつま我娘わがむすめだんじ、むすめ婬賣いんばいすることまで、慚色はづるいろなくづるにいたりては露國ロコク社界しやかいおどろくべきにあらずや。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
「いや、どこやらなまめかしい水干衣すいかん立烏帽子たてえぼしという粧い、あるいは、特に御贔屓ごひいきの白拍子かもしれませぬ」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
トしきりは満座歓宴の乱れだったが、ほどなくまた新しい拍手の波に、高氏もふと舞台の方を見ると、そこには、金モミ烏帽子えぼし水干衣すいかん姿の白拍子しらびょうしが、両の手に振鈴ふりすずを持って、忽然こつねん
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜なかに、こっそり起きて分析試験をしていた黒江氏が、誤って吸管すいかんの炎を咽喉のどに吸いこんで大怪我おおけがをしてしまった。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
似而非えせ賢者何程なにほどのことやあらんと、蓬頭突鬢ほうとうとつびん垂冠すいかん短後たんこうの衣という服装いでたちで、左手に雄雞おんどり、右手に牡豚おすぶたを引提げ、いきおいもうに、孔丘が家を指して出掛でかける。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
かく某はかつて湖広の某郡の推官すいかんとなっていた。ある日、捕盗の役人を送って行って、駅舎に一宿した。
袈裟けさ、僧帽、くつ剃刀かみそり、一々ともに備わりて、銀十じょう添わりぬ。かたみの内に朱書あり、これを読むに、応文は鬼門きもんよりで、水関すいかん御溝ぎょこうよりして行き、薄暮にして神楽観しんがくかん西房せいぼうに会せよ、とあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
既ニシテ夕陽林梢ニアリ、落霞飛鳧らっかひふ、垂柳疎松ノ間ニ閃閃せんせんタリ。長流ハ滾滾こんこんトシテ潮ハ満チ石ハ鳴ル。西ニ芙蓉ふようヲ仰ゲバ突兀万仞とっこつばんじん。東ニ波山ヲレバ翠鬟すいかん拭フガ如シ。マタ宇内ノ絶観ナリ。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)