“西房”の読み方と例文
読み方割合
せいぼう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は女のさがって往くへやはどこだろうと考えたあげく、西房せいぼうの方へ往ってその窓からのぞいた。東房とうぼうからさがって来た夫人が物悩ましそうに坐って耳をますようにしていた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
袈裟けさ、僧帽、くつ剃刀かみそり、一々ともに備わりて、銀十じょう添わりぬ。かたみの内に朱書あり、これを読むに、応文は鬼門きもんよりで、水関すいかん御溝ぎょこうよりして行き、薄暮にして神楽観しんがくかん西房せいぼうに会せよ、とあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
老宰相は伜の寡婦かふのいる内房ないぼう西房せいぼうへ入って往った。寡婦の夫人は愛嬌あいきょうを湛えてしゅうとを迎えた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)