“篋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はこ57.1%
かたみ14.3%
けふ14.3%
ばこ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蘭軒は平素身辺に大小種々のはこを置いた。恐くは小什具せうじふぐを貯へ、又書紙ををさむる用に供したのであらう。起居不自由なる蘭軒が篋篚けふひの便を藉ることの多かつたのは、固よりあやしむに足らない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
このとき程済は辛くもかたみを砕き得て、篋中きょうちゅうの物を取出とりいだす。でたる物はそも何ぞ。釈門しゃくもんの人ならでたれかは要すべき、大内などには有るべくも無き度牒どちょうというもの三ちょうありたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
して此に至つた時、わたくしは的矢の北条氏所蔵の霞亭尺牘一けふを借ることを得た。思ふにわたくしは今よりこれを検して、他日幾多の訂正をしなくてはなるまい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
紫にもみうらにほふみだればこをかくしわづらふ宵の春の神
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)