“すい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スイ
語句割合
41.8%
13.8%
8.7%
8.7%
6.1%
3.6%
3.1%
2.0%
1.5%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
推察0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みんなほっと上気して眼を潤ませて、起ち居それぞれに嬌態きょうたいすいを見せるという次第だから、若さまの御満悦は断わるまでもなかろう。
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
失敬と云ふ挨拶のうちに、此男は例の記事を読んで居るらしくすいした。然し先方では無論話頭を避けた。三四郎も弁解を試みなかつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
浪の音が、上から落ちて来るようにさっと響くと、一すい燈火ともしびがゆらゆらと揺れます。お玉はぶるぶると身震いをしました。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「では、あの、ざくざくいた氷水を。ただすいというのよ。もし、ご近所にあったら、ほんとに済みません」
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ただしたら、お茶をひいて仲間なかまに笑われることだと答えたそうであるが、彼らは日々の飯さえ遠慮して食い、終夜一すいもせぬことしばしばなるに、身体からだの苦しきよりは
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その木の始末を仕様ともしず子供達は又鍋のものにすいよせられて元の姿にじいっとして居るのであった。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
第三隊は林冲りんちゅう花栄かえい、その組の中に李逵も入っている。つまりは、総攻撃である。赤地に「すい」の大字を白抜きした大旗をさきに、陣鼓じんこ鼕々とうとう祝朝奉家しゅくちょうほうけの山城へせまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三囲みめぐり祠あり。中流より望みてその華表とりいの上半のみ見ゆるに、初めてこれを見る人もすいしてその三囲祠たるを知るべし。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
心臓から出ずる気、と称し、脾臓ひぞうから出ずる気、と称し、腎臓から出ずる気、すいと称し、肝臓から出ずる気、きょと称し、肺臓から出ずる気、と称す。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
はらすいると、のばしてとゞところなつ無花果いちじく芭蕉ばせうもぎつてふ、若し起上たちあがつてもぎらなければならぬなら飢餓うゑしんだかも知れないが
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
のぼるとそこは広前のやみ、拝殿に一すい御明みあかしがさびしく。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(然れども)その類より出でて、そのすいを抜く。生民(ありて)より以来、未だ孔子より盛んなるもの有らざるなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
えい。——またせいすい
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その他項羽のすい呂布りょふの赤兎、張飛の玉追、遠顗の飛燕、梁武帝の照殿玉獅子等、なお多かるべし。本邦には「垂仁すいにん紀」に足往あゆきてふ名の犬見ゆるに、名馬に特号あるを見ず。
大工とあるに多方源太が弟子かなんぞの使いに来たりしものならんと推察すいして、通れと一言押柄おうへいに許しける。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
平時つねに変れる状態ありさまを大方それと推察すいしてさて慰むる便すべもなく、問うてよきやら問わぬがよきやら心にかかる今日の首尾をも、口には出して尋ね得ぬ女房は胸を痛めつつ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
不答こたえず。煙草のすいさしを灰の中へ邪険に突込つっこ
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私が四高の学生だったころに、金沢から一人の若い青年が突如として、すい星のごとく日本の文壇にあらわれた。それは『地上』でもって、一躍世に出た島田清次郎であった。
根強い北陸文化 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「そして、みなさまのすいいの手を、てきのなかで待っていますと」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから馬鈴薯には懲々こりごりしましたというんです。何でも今は実際主義で、金が取れて美味うまいものが喰えて、こうやって諸君と煖炉ストーブにあたって酒を飲んで、勝手な熱を吹き合う、腹がすいたら牛肉を
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その雑銘を読めば、かんたいより、すい[#「箠」は底本では「※」]、あんれんしゃ等に至る、各物一々にとう日新にっしんの銘にのっとりて、語を下し文をす、反省修養の意、看取すべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
和名類聚鈔わみょうるいじゅしょう』に、〈緌、和名冠ノオ、老人もとどり落つるを緌を以て繋ぐ〉とあり。『康煕字典』を見ると、冠の緒をも緒を係る飾りをもすいといったらしく、その飾りはせみの形や旄牛ぼうぎゅうの尾を立てたらしい。
「二八誰ガ家ノ女、飄トシテ来リ岸蘆がんろニ倚ル、鳥ハ眉上びじょうすいヲ窺ヒ、魚ハ口傍こうぼうノ朱ヲろうス」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
翌日近処で心安かったから亭主に会って、あれは全体何でこしらえたものかと問うと、牝牛の陰部だと答えた。しかるに字書どもには甘麪麭は牝牛のすい等の諸腺と出づれど、陰部と見えず。
顧うに、独逸の学、そのすいを極めざるにあらず、仏蘭西の教、そのはんを尽さざるにあらず。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
まだすいせいの境をうろついていた女には、それほど世界が廻っているとは見えなかったらしく
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)