すい)” の例文
東岸の公孫瓚は、敵のうごきを見て、部下の大将厳綱げんこうを先手とし、すいの字を金線でった紅の旗をたて
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第三隊は林冲りんちゅう花栄かえい、その組の中に李逵も入っている。つまりは、総攻撃である。赤地に「すい」の大字を白抜きした大旗をさきに、陣鼓じんこ鼕々とうとう祝朝奉家しゅくちょうほうけの山城へせまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中央に「すい」の字の旗をたてて、明らかにそれには大都督周瑜が坐乗しているらしい。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その大船のには、「すい」の字を大きく書いた旗を立て、いしゆみ千張と黄鉞こうえつ銀鎗ぎんそうを舷側にたてならべ、彼は将台に坐し、水陸の諸大将すべて一船に集まって、さかんなる江上の宴を催した。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく人心収攬しゅうらんのご器量があるものなれば、さきに鎌倉を陥し、また勅宣の御軍みいくさをひきいて治平のすいにあたりながら、今日まで天下の諸族を、いまだにこんな支離滅裂にはしておきますまい。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関羽もすっかり身を鎧って「すい」の大字を書いた旗の下に、楯にって居眠っていた。——すると、どこからか、全身まっ黒な大猪おおいのししはしってきて、いきなり具足の上から関羽の足にみついた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして曹操の乗っている旗艦の「すい」字の旗竿が折れた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)