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おっか
ふりがな文庫
“
御母
(
おっか
)” の例文
「あいつも一所なんだろう。本当を御いい。いえば
御母
(
おっか
)
さんが好いものを上げるから御いい。あの女も行ったんだろう。そうだろう」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの時王子の
御父
(
おとっ
)
さんは、家へ帰って来るとお島は
隅田川
(
すみだがわ
)
へ流してしまったと云って
御母
(
おっか
)
さんに話したと云うことは、お前も忘れちゃいない
筈
(
はず
)
だ」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いずれ乃公の方からお前の
御母
(
おっか
)
さんの処へ
沙汰
(
さた
)
をして、悪いようにはしないから
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
余は日記をぴしゃりと
敲
(
たた
)
いてこれだ! と叫んだ。
御母
(
おっか
)
さんが嫁々と口癖のように云うのは無理はない。これを読んでいるからだ。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの地面も、今はどうなっているんだか。あの
御母
(
おっか
)
さんの生きているうちは、まあ私の手にはわたらないね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「
御母
(
おっか
)
さんも心配していなさるだろうよ」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その次に「強い風だ。いよいよこれから死にに行く。
丸
(
たま
)
に
中
(
あた
)
って
仆
(
たお
)
れるまで旗を振って進むつもりだ。
御母
(
おっか
)
さんは、寒いだろう」
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ふん、
御父
(
おとっ
)
さんや
御母
(
おっか
)
さんに、私のことなんか解るものですか。
彼奴
(
あいつ
)
等は寄ってたかって私を好いようにしようと思っているんだ」お島はぷりぷりして
呟
(
つぶや
)
きながら出ていった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
女なら
御母
(
おっか
)
さんか知らん。余は
無頓着
(
むとんじゃく
)
の性質で女の服装などはいっこう不案内だが、御母さんは大抵
黒繻子
(
くろじゅす
)
の帯をしめている。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「うん所天は陸軍中尉さ。結婚してまだ一年にならんのさ。僕は
通夜
(
つや
)
にも行き葬式の供にも立ったが——その夫人の
御母
(
おっか
)
さんが泣いてね——」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それで結構です、ねえ甲野さん。君にも
御母
(
おっか
)
さんだ。家にいて面倒を見て上げるがいい。糸公にもよく話しておくから」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは内幸町と違って、この
御母
(
おっか
)
さんの実の弟に当る男だそうで、一種の
贅沢屋
(
ぜいたくや
)
のように
敬太郎
(
けいたろう
)
は須永から聞いていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おや、
御母
(
おっか
)
さん」と
斜
(
なな
)
めな身体を柱から離す。振り返った眼つきには
愁
(
うれい
)
の影さえもない。
我
(
が
)
の女と謎の女は互に顔を見合した。実の親子である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「だって
向
(
むこう
)
で世話をするのが厭だって云うんじゃありませんか。世話は出来ない、財産はやらない。それじゃ
御母
(
おっか
)
さんをどうするつもりなんです」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この間も原の
御母
(
おっか
)
さんが来て、まああなたほど気楽な方はない、いつ来て見ても
万年青
(
おもと
)
の葉ばかり丹念に洗っているってね。
真逆
(
まさか
)
そうでも無いんですけれども
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あなたが御爺さん御婆さんだと思っていらっしゃる方は、本当はあなたの
御父
(
おとっ
)
さんと
御母
(
おっか
)
さんなのですよ。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御母
(
おっか
)
さんがあまり
可愛
(
かわい
)
がり過ぎて表へ遊びに出さないせいだと、出入りの
女髪結
(
おんなかみゆい
)
が評した事がある。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あなた、顔の色が大変悪いようですがどうかなさりゃしませんか」と
御母
(
おっか
)
さんが
逆捻
(
さかねじ
)
を喰わせる。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それなら君の未来の妻君の
御母
(
おっか
)
さんの
御眼鏡
(
おめがね
)
で
人撰
(
じんせん
)
に
預
(
あずか
)
った婆さんだからたしかなもんだろう」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あいつは
讐
(
かたき
)
だよ。
御母
(
おっか
)
さんにも御前にも讐だよ。骨を
粉
(
こ
)
にしても
仇討
(
かたきうち
)
をしなくっちゃ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母はその時微笑しながら、「心配しないでも好いよ。
御母
(
おっか
)
さんがいくらでも御金を出して上げるから」と云ってくれた。私は大変
嬉
(
うれ
)
しかった。それで安心してまたすやすや寝てしまった。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
裏は
御母
(
おっか
)
さんや、
御祖母
(
おばあ
)
さんが
張物
(
はりもの
)
をする所である。よしが洗濯をする所である。暮になると
向鉢巻
(
むこうはちまき
)
の男が
臼
(
うす
)
を
担
(
かつ
)
いで来て、
餅
(
もち
)
を
搗
(
つ
)
く所である。それから
漬菜
(
つけな
)
に塩を振って
樽
(
たる
)
へ詰込む所である。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
高柳君は巻紙を出して、今度は
故里
(
ふるさと
)
の
御母
(
おっか
)
さんの所へ手紙を書き始めた。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこへ
長唄
(
ながうた
)
の好きだとかいう
御母
(
おっか
)
さんが時々出て来て、
滑
(
すべ
)
っこい
癖
(
くせ
)
にアクセントの強い言葉で、
舌触
(
したざわり
)
の好い
愛嬌
(
あいきょう
)
を振りかけてくれる折などは、昔から
重詰
(
じゅうづめ
)
にして蔵の二階へしまっておいたものを
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
御母
(
おっか
)
さんは何にも云わないけれども、どこかに
怖
(
こわ
)
いところがある」
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
家
(
うち
)
の婆さんは、あなたの
御母
(
おっか
)
さんを知ってるんだってね」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御父
(
おとっ
)
さんや
御母
(
おっか
)
さんが生きて御出だったらさぞ御喜びだろう
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
御母
(
おっか
)
さんだけでもあれば結構だ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
母
常用漢字
小2
部首:⽏
5画
“御母”で始まる語句
御母樣
御母様
御母上
御母后
御母君
御母子
御母堂
御母殿
御母神