“万年青”の読み方と例文
旧字:萬年青
読み方割合
おもと100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
間もなく窓に現れた小僧は万年青おもとの鉢の置いてある窓板の上に登って、一しょう懸命背伸びをして籠を吊るしてある麻糸をくぎからはずした。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
建具屋と仕立屋の間に挟まつた小ぢんまりとした二階屋で、その二階の出窓に、万年青おもとの鉢が二つ三つ、晩秋の午後の薄日を浴びて並んでゐた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「待ちなよ八。口惜くやしがるのはお前の勝手だが、煙管きせる雁首がんくび万年青おもとの鉢を引っぱたかれちゃ、万年青も煙管も台なしだ」
蒸暑くても窓を明けることは出来ず、その硝子窓の外に並べて置かれてある大きな鉢植ゑの万年青おもとの葉が埃塵で真白になつてゐるのを見た。
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
万年青おもとの芽分けが幾鉢も窓にならべてあって、鉢にはうなぎくしをさし、赤い絹糸で万年青が行儀わるく育たないように輪をめぐらしてあった。
この間も原の御母おっかさんが来て、まああなたほど気楽な方はない、いつ来て見ても万年青おもとの葉ばかり丹念に洗っているってね。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
山根さんはふだん着ではなく、大島の着物羽織をき、万年青おもと構図の緑がかった落着いた帯をしめ、髪もきれいにとかしていた。
理平は、万年青おもと展覧会ほどある屋上庭園から降りて来て、ちょっと、店へ顔を出して、金庫の鍵を鳴らしながら奥へ引っこむ。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
番附といふのは、相撲すまふ万年青おもとのそれと同じやうに横綱もあれば、大関もあり、又貧乏神もあるといつたやうに、現代の画家にそれ/″\格つけをしたものだ。
泥鉢どろばちのあつかひにがすことひとらねど、らちもなく万年青おもとあらひ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)