“御父”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おとっ40.0%
おとつ20.0%
おとう15.0%
おと15.0%
おんちち5.0%
おとつさん5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あの御父おとっさんの産んだ子だと思うと、厭になってしまう。東京へでも出ていなかったら、貴方あんたもやっぱりあんなでしょうか」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「それはさうだけれど、どうも貫一かんいつさんの事が気になつて。御父おとつさんはもう貫一さんに話をすつたらうか、ねえ御母おつかさん」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
否、胆力とは両立し得ないで、しかも胆力以上に難有がつて然るべき能力が沢山ある様に考へられる。御父おとうさんから又胆力の講釈を聞いた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
羽織を干して貰って、足駄を借りて奥に寝ている御父おとっさんには挨拶もしないで門を出る。うららかな上天気で、しかも日曜である。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
建文皇帝いみな允炆いんぶん、太祖高皇帝の嫡孫なり。御父おんちち懿文いぶん太子、太祖にぎたもうべかりしが、不幸にして世を早うしたまいぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
強ひて聞くと、実は誰某だれそれがしが御前の本当の御父おとつさんだとかすかな声で云つた。——まあ話だが、さういふ母を持つた子がゐるとする。すると、其子が結婚に信仰を置かなくなるのは無論だらう
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)