トップ
>
追掛
>
おっか
ふりがな文庫
“
追掛
(
おっか
)” の例文
私は田舎
武士
(
ざむらい
)
で様子が知れぬから、面倒と思って、逃ると
追掛
(
おっか
)
けたから、是は
堪
(
たま
)
らんと思って当家へ駈込みお店を荒して済みませんが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ワッと
怯
(
おび
)
えて、
小児
(
こども
)
たちの逃散る中を、
団栗
(
どんぐり
)
の転がるように杢若は黒くなって、凧の影をどこまでも
追掛
(
おっか
)
けた、その時から、行方知れず。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あゝもし/\。もし/\。宮ちゃん宮ちゃん、
一寸々々
(
ちょいとちょいと
)
。まだ話すことがあるんだよ。」と何か話すことがありそうに言って
追掛
(
おっか
)
ける。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
すると
綺麗
(
きれい
)
に切り
棄
(
す
)
てられべきはずの過去が、かえって自分を
追掛
(
おっか
)
けて来た。彼の眼は行手を望んだ。しかし彼の足は
後
(
あと
)
へ歩きがちであった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「角川の息子を殺して
与
(
や
)
ろうと思って行ったんだけれども、見付かったんで
無効
(
だめ
)
だった。それから大勢に
追掛
(
おっか
)
けられて、やッと
此処
(
ここ
)
まで逃げて来たんだ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
「よし、
見失
(
みうしな
)
わないように
追掛
(
おっか
)
けよう。……この潜水服は勿体ないが、ここに捨てておけ」
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところが一人の舁夫が
追掛
(
おっか
)
けて参りますので、お町は女の
繊細
(
かぼそ
)
き足にて山へ登るは
適
(
かな
)
いませぬから、転げるように谷へ
下
(
お
)
りました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そうよ、其奴を、
旦
(
だん
)
が
踏潰
(
ふみつぶ
)
して怒ってると、そら、
俺
(
おいら
)
を
追掛
(
おっか
)
けやがる
斑犬
(
ぶちいぬ
)
が、ぱくぱく
食
(
くい
)
やがった、おかしかったい、それが昨日さ。」
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は、
慄然
(
ぞっ
)
とするような気がして、これはなるたけ障らぬようにして置くが好いと思って、後を黙っていると、先は、
反対
(
あべこべ
)
に、何処までも、それを
追掛
(
おっか
)
けるように
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
先刻
(
さっき
)
も云った通り、巡査が一度
追掛
(
おっか
)
けたことも有ったが、
到頭
(
とうとう
)
捉
(
つかま
)
らなかった。何しろ、猿と同じように樹にも登る、山坂を平気で
駈
(
かけ
)
る、
到底
(
とても
)
人間の足では追い付かないよ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かように自分の心が、左右前後と
離
(
はな
)
れ離れになって、しかも独立ができないものだから、物の
後
(
あと
)
を
追掛
(
おっか
)
け、追ん廻わしているほど
辛
(
つら
)
い事はない。なんでも敵に
逢
(
あ
)
ったら敵を
呑
(
の
)
むに限る。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
受人がなければ奉公は出来ず、と云って国へ
帰
(
けえ
)
れば
抜刀
(
ぬきみ
)
で
追掛
(
おっか
)
けられて殺されてしまいやすから、
拠
(
よんどころ
)
なく此処から飛込んで死にやすが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その鼻の飛んだ時、キャッと叫ぶと、顔の
真中
(
まんなか
)
へ舌が出て、もげた鼻を
追掛
(
おっか
)
けたというのである。鳥博士のは凍傷と聞いたが、結果はおなじい。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「今あの岩の蔭に重太郎の隠れているのを見付けましたから、
直
(
すぐ
)
に
追掛
(
おっか
)
けて行ったのですが、
彼奴
(
あいつ
)
中々足が
捷
(
はや
)
いので、
忽
(
たちま
)
ち見えなくなって
了
(
しま
)
いました。残念なことを
為
(
し
)
たです。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
突棒
(
つくぼう
)
刺股
(
さすまた
)
※
(
もじり
)
などを持って
追掛
(
おっか
)
けて来て、折り重り、亥太郎を
俯伏
(
うつぶせ
)
に倒して縄を掛け、
直
(
すぐ
)
に見附へ連れて来て調べると、亥太郎の云うには
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
追掛
(
おっか
)
けに、また一遍、片足を膝頭へ巻いて上げ、一本の脛を
突支棒
(
つッかえぼう
)
に、黒い尻をはっと
揺
(
ゆす
)
ると、組違えにトンと廻って
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わし
)
の跡を
追掛
(
おっか
)
けて来て富五郎はいるか、
慝
(
かく
)
まったろう、イエ慝まわぬ、居ないといえばじゃア戸棚に居ましょうというので捜しましょう
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お百合、いきを切って、
褄
(
つま
)
もはらはらと
遁
(
に
)
げ帰り、
小家
(
こや
)
の内に
駈入
(
かけい
)
り、隠る。あとより、村長
畑上嘉伝次
(
はたがみかでんじ
)
、村の有志
権藤
(
ごんどう
)
管八、小学校教員斎田初雄、村のものともに
追掛
(
おっか
)
け出づ。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
○「饒舌だって剣術の先生や何かも
皆
(
みん
)
な喋ったじゃアねえか………
何
(
なん
)
でごぜえやす……えゝ其の八州が
追掛
(
おっか
)
けて何したんで、当りを付けたんで」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わっし
)
は
下口
(
おりくち
)
まで
追掛
(
おっか
)
けたが、どうして
可
(
い
)
いか、途方にくれてくるくる廻った。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先刻
(
さっき
)
も申す通り私は決して悪人ではない、賊の為に災難に
逢
(
お
)
うて逃げる
機
(
はずみ
)
に此の穴へ落ちた者、其の時お前が
追掛
(
おっか
)
けて出た
彼
(
あ
)
の二人の者こそ泥坊じゃぞえ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
追掛
(
おっか
)
けるのか、逃廻るのか、どたばた跳飛ぶ内、ドンドンドンドンと天井を下から上へ打抜くと、がらがらと
棟木
(
むなぎ
)
が外れる、戸障子が鳴響く、地震だ、と
突伏
(
つッぷ
)
したが、それなり
寂
(
しん
)
として、
静
(
しずか
)
になって
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他
(
ほか
)
の者は十郎ヶ峰の
向
(
むこう
)
の
雑木山
(
ぞうきやま
)
へ登って、鉄砲を持って待っている所へ、かくとは知らず孝助は、息をもつかず
追掛
(
おっか
)
けて来て、石橋まで来て渡りかけると
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
物をも云わず永禪和尚柄の長い薪割を振上げて
追掛
(
おっか
)
けたが、人を殺そうという剣幕、
何
(
なん
)
ともどうも怖いから
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
己
(
おら
)
ア出て押えようと思ったら、
突転
(
つきこか
)
して駈ん出すだ、
追掛
(
おっか
)
けることも出来なえから、早く
汝
(
われ
)
が帰らば
宜
(
よ
)
いと心配ぶって居たゞ、早く何うかして追掛けて呉んなよ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其奴
(
そいつ
)
は
甚
(
ひど
)
い奴で、重役の渡邊織江様を
斬殺
(
きりころ
)
したんで、其の子が跡を
追掛
(
おっか
)
けて行くと、旨く言いくろめて、
欺
(
だま
)
して到頭連出して、何とかいう所だっけ、然う/\
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
樹
(
き
)
に縛られて居た旅人の着物や金を取返してやると云って、
盗人
(
ぬすびと
)
の跡を
追掛
(
おっか
)
けて行かしった、もう今頃は浅貝あたりへお帰りになりましたろう、旦那の云うにゃア
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
流石
(
さすが
)
の仙太郎も驚き慌てゝ船の中へ飛込み、
繋縄
(
もやい
)
を解いて是から無闇に船を漕いだが、
後
(
あと
)
から
追掛
(
おっか
)
けて来るような心持で川中へ漕出すが、上潮
始
(
はじめ
)
で楽ゆえ段々
漕上
(
こぎのぼ
)
って
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうも江戸はえれえ
怖
(
おっ
)
かねえ所で、なか/\
好
(
い
)
い所だと云うのは嘘でがんす、側から/\火事が
追掛
(
おっか
)
けて来て、
彼方此方
(
あっちこっち
)
逃𢌞って、漸くのこんで
帰
(
けえ
)
ってめえりやしたが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
己
(
おら
)
ア泥坊だと思って泥坊々々とがなると、
突然
(
いきなり
)
脇差を引抜いて
追掛
(
おっか
)
けて来たから、逃げべいとすると木の根へ
躓
(
つま
)
ずき、
打転
(
ぶっころ
)
がると、己の上へ乗し掛り殺すべえという訳だ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
繼「これ又市見忘れはすまい、お繼だ、よくも私のお
父様
(
とっさま
)
を薪割で打殺して本堂の縁の下へ隠し、
剰
(
あまつさ
)
え
継母
(
まゝはゝ
)
を連れて
立退
(
たちの
)
き、また其の前に私を殺そうとして
追掛
(
おっか
)
けたな」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
そ
)
うして久留島さんまで送り届けて、
直
(
すぐ
)
に四万へ
追掛
(
おっか
)
けて往って掛合をしたが、其の時此の野郎を
踏捕
(
ふんづか
)
めえれば宜かったアだが……
汝
(
うぬ
)
此処へ来やアがって何んだえ化けやアがって
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
皆
(
みんな
)
が徒党をして、大勢で
私
(
わっち
)
を
打殺
(
うちころ
)
すと云って
追掛
(
おっか
)
けたものだから、一生懸命に
此処
(
こゝ
)
までは逃げて来たが、目が眩んでいますから、殿様とも心付きませんで、とんだ粗相を致しました
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
後影
(
うしろかげ
)
を起上りながら、長二が恨めしそうに見送って居りましたが、思わず
跣足
(
はだし
)
で表へ駈出し、十間ばかり
追掛
(
おっか
)
けて立止り、向うを見詰めて、何か考えながら
後歩
(
あとじさり
)
して元の
上
(
あが
)
り
口
(
はな
)
に戻り
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
這々
(
ほう/\
)
の
体
(
てい
)
で逃げて
行
(
ゆ
)
くと、弥次馬に
追掛
(
おっか
)
けられて又打たれる、
意気地
(
いくじ
)
のない事。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二人は
恟
(
びっく
)
りして
道哲
(
どうてつ
)
の方へ無闇に逃出しましたが、跡から侍が
追掛
(
おっか
)
けてまいるので、
己
(
おの
)
が足音か跡から追掛けて来る侍の足音か分りませんが、何だか傍へ来たような心持がいたしますから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わっち
)
が今立聞をしていたら、孝助の
母親
(
おふくろ
)
が
咽喉
(
のど
)
を突いて、お
前
(
なれ
)
さん方の逃げた道を孝助に
教
(
おせ
)
えたから、こゝへ
追掛
(
おっか
)
けて来るに
違
(
ちげ
)
えねえから、お
前
(
めえ
)
さんは此の石橋の下へ
抜身
(
ぬきみ
)
の
姿
(
なり
)
で隠れていて
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
己
(
うら
)
のような百姓に
傍
(
そべ
)
へ参って
緩
(
ゆっく
)
りてえ挨拶して行くたアえらいねえと噂アして、お
前
(
めえ
)
さま帰って仕舞った
後
(
あと
)
で見ると置いた
包
(
つゝみ
)
が
無
(
ね
)
えから後を
追掛
(
おっか
)
けてお
前
(
まえ
)
さまア尋ねたが、
混雑中
(
こむなか
)
だから知れましねえ
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
縁切だとって書附を放りつけて出て来たら、小兼め、
後
(
あと
)
から
追掛
(
おっか
)
けて来やアがって仕方がねえ、
拠
(
よんどころ
)
なく大津の銚子屋へ
遁込
(
にげこ
)
んで見ると、まだ二三人も客が居るに
彼奴
(
あいつ
)
がぎゃア/\
狂人
(
きちげえ
)
のようになって
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
追掛
(
おっか
)
けようといっても彼奴江戸へ出られる奴でないから大丈夫
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云いながら
追掛
(
おっか
)
けて
往
(
ゆ
)
くと、野次馬が大勢居りますから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“追掛”で始まる語句
追掛廻