“蔽被”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おつかぶ40.0%
おっかぶ30.0%
おおいかぶ10.0%
おおいかぶさ10.0%
おっか10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其のうへ彼は又この二三日、ひどくわづらはしいことが彼の頭に蔽被おつかぶさつてゐることを不快に思つた。
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
大巌おおいわの崖が薄黒く、目の前へ蔽被おっかぶさって、物凄ものすごうもなりましたので、ふんどしめ直すやら、膝小僧ひざっこぞうを合わせるやら、お船頭が、ほういほうい、と鳥のような懸声で、浜へ船をつけまして
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
先へ立った連の六人が、ひょいと見ると、手にも足にも十四五疋の、狼で蔽被おおいかぶさった。——身体はまるで蜂の巣ですわ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
七筋ばかり、工場の呼吸いきであろう、黒煙くろけむりが、こう、風がないから、真直まっすぐ立騰たちのぼって、城のやぐらの棟を巻いて、その蔽被おおいかぶさった暗い雲の中で、末が乱れて、むらむらと崩立くずれたって、さかさまに高く淀川の空へなびく。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それですから泥棒の迫害を防ぐために砂を蔽被おっかぶせておく。翌日の朝までその火がよく保てるようにして置くです。するとまず非常の寒さのために凍えて死ぬの寝られんのというようなこともない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)