“むすび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムスビ
語句割合
握飯48.4%
19.4%
結飯6.5%
4.8%
団飯3.2%
産霊3.2%
産巣3.2%
1.6%
搏飯1.6%
摶飯1.6%
産靈1.6%
結塊1.6%
結末1.6%
結盟1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人の犬殺しは尋常の犬殺しにかかるつもりで、左右から歩み寄って、一人は例の握飯むすびを投げて、一人は投網とあみを構えるように口環を拡げて
「それはハヤ不念ぶねんなこんだ。帯のむすびめさへたたいときや、何がそれで姉様なり、母様おふくろさまなりのたましいが入るもんだでエテめはどうすることもしえないでごす。」
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かれははしをとらないで、「申しかねますがこれで結飯むすびを作って頂けませんか」と云った、「結飯はべつに作ってあげますからこれはこれで召しあがれ」
日本婦道記:尾花川 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一はことに價たふとし、されど一はむすびほぐすものなるがゆゑにあくるにあたりて極めて大なるわざさとりもとむ 一二四—一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
穴から少しりると阿蘇神社があるそのそばに小さな小屋があって番茶くらいはのませてくれる、そこへ逃げ込んで団飯むすびをかじって元気をつけて、また噴火口まで登った。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
きはみ無しすめら産霊むすび
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もろもろの生きの産巣むすび
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
有一日あるひ伏姫は。すゞりに水をそゝがんとて。いで石湧しみづむすび給ふに。横走よこばしりせし止水たまりみづに。うつるわが影を見給へば。そのかたちは人にして。かうべは正しく犬なりけり。」云々しか/″\
古来、温泉山に登るときは、必ず搏飯むすびと梅干しとを携うべし。梅干しは霧を払うの妙薬にして、搏飯は「だらし」を予防するがためなりとの言い習わしあり。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
私は今白い摶飯むすびを三つ食べて、冷めたい紅茶を一杯ぐつとあほつたところだ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
きはみ無しすめら産靈むすび
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
筋の多いふかしいも、麦飯の結塊むすび、腹のいた時には、富家の子をだまして、銭を盗み出させて、二十銭の銅貨に駄菓子だがしを山ほど買って食った。
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「これが事の結末むすびでさあね。彼奴が生きていた時分は、誰でも彼でもおどかしてそばへ寄せ附けなかったものだが、そのお蔭で死んでから私達を儲けさしてくれたよ。はッ、はッ、はァ!」
しかも世は一転機のほかなきときとも思われます。このたびのお使いとは、すなわち、私を以て、両家のかたい結盟むすびを成しとげてまいれ。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)