“鴻雁”の読み方と例文
読み方割合
こうがん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四平街に一泊し翌日鄭家屯ていかとんに行つた。私を導いた八木沼氏が、鴻雁こうがんの南下する壮大な光景を私に見せようと思つたのであつた。
雷談義 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
鴻雁こうがんは空を行く時列をつくっておのれを護ることに努めているが、うぐいすは幽谷をでて喬木きょうぼくうつらんとする時、ぐんをもなさず列をもつくらない。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ただ一筋の出処しゅっしょの裏には十重二十重とえはたえ因縁いんねんからんでいるかも知れぬ。鴻雁こうがんの北に去りて乙鳥いっちょうの南にきたるさえ、鳥の身になっては相当の弁解があるはずじゃ。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)