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鴻雁
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こうがん
ふりがな文庫
“
鴻雁
(
こうがん
)” の例文
四平街に一泊し翌日
鄭家屯
(
ていかとん
)
に行つた。私を導いた八木沼氏が、
鴻雁
(
こうがん
)
の南下する壮大な光景を私に見せようと思つたのであつた。
雷談義
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
鴻雁
(
こうがん
)
は空を行く時列をつくっておのれを護ることに努めているが、
鶯
(
うぐいす
)
は幽谷を
出
(
い
)
でて
喬木
(
きょうぼく
)
に
遷
(
うつ
)
らんとする時、
群
(
ぐん
)
をもなさず列をもつくらない。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ただ一筋の
出処
(
しゅっしょ
)
の裏には
十重二十重
(
とえはたえ
)
の
因縁
(
いんねん
)
が
絡
(
から
)
んでいるかも知れぬ。
鴻雁
(
こうがん
)
の北に去りて
乙鳥
(
いっちょう
)
の南に
来
(
きた
)
るさえ、鳥の身になっては相当の弁解があるはずじゃ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鴻雁
(
こうがん
)
翔天
(
しょうてん
)
の
翼
(
つばさ
)
あれども
栩々
(
くく
)
の
捷
(
しょう
)
なく、
丈夫
(
じょうふ
)
千里の才あって
里閭
(
りりょ
)
に栄
少
(
すくな
)
し、十銭時にあわず銅貨にいやしめらるなぞと、むずかしき
愚痴
(
ぐち
)
の出所はこんな者とお気が付かれたり。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
鴻雁
(
こうがん
)
西へ行くときには、仰いで玄徳も、西蜀に先生あることを胸に呼びかえしているでしょう
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
鴻雁
(
こうがん
)
長く飛んで光わたらず
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
猛虎も動物園に入れば
糞豚
(
ふんとん
)
の隣りに居を占め、
鴻雁
(
こうがん
)
も鳥屋に
生擒
(
いけど
)
らるれば
雛鶏
(
すうけい
)
と
俎
(
まないた
)
を
同
(
おな
)
じゅうす。
庸人
(
ようじん
)
と
相互
(
あいご
)
する以上は
下
(
くだ
)
って
庸猫
(
ようびょう
)
と化せざるべからず。庸猫たらんとすれば鼠を
捕
(
と
)
らざるべからず。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まだ
川靄
(
かわもや
)
もほの白いうちに、しきりと、
鴻雁
(
こうがん
)
が遠くで群れ立ち、やがて
鑼声
(
らせい
)
鼓笛
(
こてき
)
の音と共に、
櫓手
(
ろしゅ
)
の船歌が聞えだしていた。近づくのをみれば、花やかな三隻の官船である。特に、勅使船の
舳
(
みよし
)
には
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
灯前影ヲ
吊
(
とぶろ
)
フテ
彷徨彳亍
(
ほうこうてきちょく
)
タリ。
忽
(
たちま
)
チ声ノ中空ヨリ落ルモノアルヲ聞キ、窓ヲ推シテコレヲ
視
(
み
)
ルニ、天
陰
(
くも
)
リ月黒ク、
鴻雁
(
こうがん
)
嘹喨
(
りょうりょう
)
トシテ
乍
(
たちま
)
チ遠ク乍チ近シ。
窃
(
ひそか
)
ニ自ラ嘆ズラク、ワガ兄弟三人幸ニシテ故ナシ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
霜白き
芦荻
(
ろてき
)
には、舟が
氷
(
こお
)
りつき、
鴻雁
(
こうがん
)
の声も、しきりだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これを見た楠木方の物見は、
鴻雁
(
こうがん
)
のように飛んで帰って
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鴻雁
(
こうがん
)
群れて、
暮夜
(
ぼや
)
、碑をめぐって啼いた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鴻雁
(
こうがん
)
告げよ 大ぎみの
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鴻
漢検準1級
部首:⿃
17画
雁
漢検準1級
部首:⾫
12画
“鴻雁”で始まる語句
鴻雁寺