“十重二十重”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とえはたえ88.9%
とへはたへ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの中がみんな謡本さ、可恐おそろしい。……その他一同、十重二十重とえはたえに取囲んで、ここを一つ、と節をつついて、浮かれて謡出すのさえあるんです。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白峰を写すには何処がよかろう、十重二十重とえはたえ山は深い。富士のように何処どこからも見えるというわけにはゆかぬ。地図を調べ人にもきいた。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
七重八重と言ひえが、十重二十重とへはたへに嫁の衣裳をかけ並べ、木戸も潜戸くゞりも開けて、御町内の衆へ豊樂の見物勝手だ、いやその評判といふものは——
十重二十重とへはたへにも築き上げられた大鐵壁を目がけてやじりのない矢をぶつつけるやうな、その矢が貫けないからと云つて氣ばかりぢりぢりさせて居たことが、全く無意味に終つてしまつた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)