十重二十重とへはたへ)” の例文
七重八重と言ひえが、十重二十重とへはたへに嫁の衣裳をかけ並べ、木戸も潜戸くゞりも開けて、御町内の衆へ豊樂の見物勝手だ、いやその評判といふものは——
十重二十重とへはたへにも築き上げられた大鐵壁を目がけてやじりのない矢をぶつつけるやうな、その矢が貫けないからと云つて氣ばかりぢりぢりさせて居たことが、全く無意味に終つてしまつた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
いへのめぐり十重二十重とへはたへ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
十重二十重とへはたへにも築き上げられた大鉄壁を目がけてやじりのない矢をぶつつけるやうな、その矢が貫けないからと云つて気ばかりぢりぢりさせて居たことが、全く無意味に終つてしまつた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
美しいお糸を十重二十重とへはたへに包んで、晝のうちから水もらさぬ警戒振りです。
「へエ——、下つ引が五六十人、十重二十重とへはたへに圍んでゐますよ」