“目眩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まぶ22.9%
めまぐる18.8%
めまい14.6%
めまぐ8.3%
メクルメ6.3%
めくる6.3%
めくるめ4.2%
まばゆ4.2%
まぶし4.2%
まぼ2.1%
めくら2.1%
めまぐるし2.1%
めまひ2.1%
マギラ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
でも、取り澄ました気振りは少しも見えず、折々表情のない目をげて、どこを見るともなくみつめると、目眩まぶしそうにまた伏せていた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
目眩めまぐるしい戦国時代に身をおきながら一生を費して「天狗の夢」に耽り続けて、遂に身を滅した憐れな夢想家として一笑に附せられたが
熱い風 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
どッぷりと厚ぼッたい夜がこめて来て、もう外には微光だも見えず、身は雲の中でも駆けているような目眩めまいをおぼえ出しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの目眩めまぐるしい東京の下宿の二階で、遠く走る電車の音を耳にしながら、ページを一枚一枚にまくって行く方が、気に張りがあって心持よく勉強ができた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何やら我々には想像も出来ぬ理由があつて、日を祀る修道人が、目眩メクルメく光りに馴れて、ウツし世の明を失つたと言ふ風の考へ方があつたものではないか知らん。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
と、お稲は激しい力をいれて、男の体をゆすぶると、目眩めくるめくような情熱にうずかれて、そのまま何もかも忘れてしまいそうになった。
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何やら我々には想像も出来ぬ理由があって、日を祀る修道人が、目眩めくるめく光りに馴れて、うつの明を失ったと言う風の考え方があったものではないか知らん。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
さてまた当時において秀吉の威光を背後に負いて、目眩まばゆいほどに光り輝いたものは千利休せんのりきゅうであった。勿論利休は不世出の英霊漢である。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その仏像、仏具及び装飾の金繍きんしゅう等が互いに反映して輝く有様は皓々赫々こうこうかっかくとして目眩まぶしくその立派なることは実にきもを潰すばかりでありました。けれども私は余り感服しなかった。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
不意に箪笥や何やや沢山な奇麗な道具が燦然ぱっと眼へ入って、一寸ちょっと目眩まぼしいような気がする中でも、長火鉢の向うに、三十だか四十だか、其様そんな悠長な研究をしてるひまはなかったが
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
帰りの橇道のことを想ふと、目眩めくらみさうな恍惚の渦巻きに襲はれた。
寄生木と縄梯子 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
目眩めまぐるしいほど人が動いていても、動きながら、みんなが生えてるんで、たまたま根が抜けて動き出したのは、天下広しといえども、自分だけであろうくらいで、千住から尻を端折はしょって歩き出した。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くらくらと目眩めまひに倒れようとして殆んど夕方まで歩きつゞけた自分の姿が目に浮んで来た。
かなしみの日より (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
一層深刻な叫びになつたのであるが、新旧の交替ほど目眩マギラはしいものはない。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)