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御禮
『
皆樣は、
其樣にあの
兒を
可愛がつて
下さつたのですか。
妾は
何と
御禮の
言葉もございません。』と
雪のやうなる
頬に
微※の
波を
湛えて
帳塲の
女主もかけ
出して
唯今は
有がたうと
同音の
御禮、
頼んで
置いた
車が
來しとて
此處からして
乘り
出せば、
家中表へ
送り
出してお
出を
待まするの
愛想、
御祝儀の
餘光としられて
並べ外に金五兩は御利子と申には是なく
御禮の心ばかり
御菓子料にさし
上度と出しければ文右衞門は是を見て忽まち氣色を
變是は/\新藤氏思ひもよらぬことを
ば
伯父々々と
呼べしと言ければ兩人は
有難涙に
暮厚く
御禮申上召連し見知人甚左衞門善助は名主部屋へ入置
休息致させける是に依て越前守には池田
大助に命じ
全快屆の書面を