ほう)” の例文
艦長松島海軍大佐かんちやうまつしまかいぐんたいさ此時このときちつともさはがず、平然へいぜんとして指揮しきする信號しんがうことば信號兵しんがうへいめいほうじて信號旗しんがうきたかかゝげた。
その老臣ろうしんは、つつしんで天子てんしさまのめいほうじて、御前ごぜんをさがり、妻子さいし親族しんぞく友人ゆうじんらにわかれをげて、ふねって、ひがしして旅立たびだちいたしましたのであります。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すでに一じんの薪となるべきを、幸にしる者にあひひて死灰しくわいをのがれ、韻客ゐんかくため題詠だいえい美言びげんをうけたるのみならず、つひには 椎谷侯しひやこうあいほうじて身を宝庫ほうこに安んじ
ことに政府の新陳しんちん変更へんこうするに当りて、前政府の士人等が自立のを失い、糊口ここうめに新政府に職をほうずるがごときは、世界古今ここん普通のだんにしてごうあやしむに足らず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
取舵とりかじ!」とらいのごとき声はさらに一喝いっかつせり。半死の船子ふなこ最早もはや神明しんめい威令いれいをもほうずるあたわざりき。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天下てんか勢力せいりょくを一もんにあつめて、いばっていた平家へいけも、とうとう源氏げんじのためにほろぼされて、安徳天皇あんとくてんのうほうじて、だんうらのもくずときえてからというもの、この壇ノ浦いったいには
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「……や。林師範だぞ」「豹子頭ひょうしとうか」と、小声をかわしていたと思うと、たちまち、どどどっと階段を降りて、高御曹司を、白馬はくば金鞍きんあんの上にほうじ、まるで落花を捲いたほこりのように逃げ去った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後醍醐ごだいご天皇の延元えんげん元年以来五十余年で廃絶はいぜつしたとなっているけれども、そののち嘉吉かきつ三年九月二十三日の夜半やはんくすのき二郎正秀と云う者が大覚寺統だいかくじとうの親王万寿寺宮まんじゅじのみやほうじて、急に土御門つちみかど内裏だいりおそ
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
無心の勢力せいりき萬物ばんぶつたねは、祭壇に捧ぐる如く、なれほうぜむ。
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
ほうじて魯に奔るところだ。あとはよろしく頼む。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
すでに一じんの薪となるべきを、幸にしる者にあひひて死灰しくわいをのがれ、韻客ゐんかくため題詠だいえい美言びげんをうけたるのみならず、つひには 椎谷侯しひやこうあいほうじて身を宝庫ほうこに安んじ
討手うって追撃ついげきを受けて宮は自害し給い、神器のうち宝剣ほうけんと鏡とは取り返されたが、神璽しんじのみは南朝方の手に残ったので、楠氏越智おち氏の一族さらに宮の御子みこ二方ふたかたほうじて義兵を挙げ、伊勢いせから紀井きい
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)