ほう)” の例文
蜥蜴とかげ壁虎やもりひき、犬、猫、狐、狸、いたち、鼠、貂のたぐいで、合図をすれば必ずどこからか現われて来るから、それをすべて生けるがままにほうって
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
だが職業として毎日多くの豚をほうることは、可哀想だ惨酷だという気がして出来なかった。
首を失った蜻蛉 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
彼はこうした場面を想像で頭の中に描いて見ると、どんなに金になっても、豚をほうることは厭だった。血まみれになって働くきたなさよりも、あの無邪気な生き物を殺すのが厭だった。
首を失った蜻蛉 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)