“屠場”の読み方と例文
読み方割合
とじょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「私がですか」兵衛は眼をみはり、「私が木登りを——あの子供がやっているあいつを」こう云って急に屠場とじょうかれる羊のような声をだした
評釈勘忍記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「人をほふりてえたる犬を救え」と雲のうちより叫ぶ声が、さかしまに日本海をうごかして満洲の果まで響き渡った時、日人と露人ははっとこたえて百里に余る一大屠場とじょう朔北さくほくに開いた。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この庭は低い黒塗りの板塀いたべいを境にして、屠場とじょうに続いている。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)