“豊饒”のいろいろな読み方と例文
旧字:豐饒
読み方割合
ほうじょう87.2%
ぶねう4.3%
ほうぜう4.3%
ほうねう2.1%
ゆたか2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、胸のふくらみから腰から脚へかけての線など、その豊饒ほうじょうな肉体の弾力のある充実を、めざましく、ものの美事に示している。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
城下は岩船郡いはふねこほりむら上(内藤侯五万九千石ヨ)蒲原かんばら郡に柴田しばた(溝口侯五万石)黒川くろかは(柳沢侯一万石陣営)三日市(柳沢弾正侯一万石陣営)三嶋郡に与板よいた(井伊侯二万石)刈羽かりは郡に椎谷しひや(堀侯一万石陣営)古志郡に長岡ながをか(牧野侯七万四千石ヨ)頸城くびき郡に高田たかた(榊原侯十五万石)糸魚川いといかは(松平日向侯一万石陣営)以上城下のほかすこぶる豊饒ぶねう
大陸的な豊饒ほうぜうな男の性質に打たれて、何処にゐても自由にふるまへる民族性に、ゆき子は富岡にはなかつた明るいものを感じた。富岡に逢つてゐる時の胸を射すやうな淋しさはなかつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
生れた土地はクリツサといつて、近くに豊饒ほうねうな平野が多く、その外を波の打ち寄せる海に取り巻かれてゐる都会であつた。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
そうして、その時、十一歳であった私と、七ツになったばかりのアヤ子と二人のために、余るほどの豊饒ゆたかな食物が、みちみちておりました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)