飾棚だの飾箱だのといふものがある。貴重な材木や硝子を使つて細工がしてある。その小さい中へ色々な物が逃げ込んで、そこを隠れ家にしてゐる。その中から枯れ萎びた物の香が立ち昇る。過ぎ去つた時代の、人を動かす埃がその上に浮かんでゐる。昔の人のした奢 …
著者 | アルベール・サマン |
翻訳者 | 森林太郎 |
翻訳者 | 森鴎外 |
ジャンル | 文学 > フランス文学 > 小説 物語 |
原題 | XANTHIS |
初出 | 「新小説 一六ノ七」1911(明治44)年7月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約22分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約36分(300文字/分) |