“罵詈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばり93.3%
のゝしり2.2%
あざ1.1%
ののし1.1%
ののしり1.1%
ばげん1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
切齒せつしし、罵詈ばりし憐憫する必要が起り、ひいて「泥人形」ならぬ「現實」の僕自身もそのまきぞえを食うべく餘儀なくされたのである。
中西氏に答う (旧字新仮名) / 平林初之輔(著)
我等と共に來らざる民の犯せる罪は、そのかみ勝誇れるチェーザルをして王妃といへる罵詈のゝしりの叫びを聞くにいたらしめしものなりき 七六—七八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こんな風に第一線で詞戦ことばだたかひをする。双方が時時突貫を試みようとする。女はきい/\云ふ。男は罵る。子供は泣く。そのうち弱いものが二三人押し倒される。気をうしなふ。それを踏み付ける。罵詈あざける。
防火栓 (新字旧仮名) / ゲオルヒ・ヒルシュフェルド(著)
莫迦に威勢のよい捲き舌で桶の中の男は罵詈ののしったが、馬琴にはその声に聞き覚えがあった。それに白昼の大晦日に、深川の通りを風呂桶を冠って横行闊歩する人間は、あの男以外には無いはずである。
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それが若い者の仲間に知れわたると、まるで彼が生きているということからが、既に自分等に対して僭越であるような、冷笑ひやかし罵詈ののしりが、彼の名に向って浴せかけられたのである。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
彼女はその種の多くの女らと同じく、日々一定量の愛撫あいぶを与え、また一定量の打擲ちょうちゃく罵詈ばげんとをなさねば納まらなかった。