“あざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アザ
語句割合
30.4%
25.9%
23.4%
9.9%
3.1%
0.8%
紫斑0.8%
冷笑0.6%
嘲笑0.6%
0.6%
(他:14)3.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そいつはあつしも心掛けて居るが、首筋に火の燃えるやうな眞赤なあざのある人間なんか、滅多めつたに見付かりませんよ」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
それから、お内儀の肩に青いあざになつた打撲うちみは、落ちた時の本當の怪我で、三角石へ眞つ逆樣に落ちて死んだものなら
そのあざやかな色のそばには掛茶屋かけぢゃやめいた家があって、縁台の上に枝豆のからを干したまま積んであった。
初秋の一日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぬるい風にって、春はいっさんに駈けつけて来たかのように、すべての植物の芽をあざらかにふくらませていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「開拓使貫属——」と、そう云いながら、阿賀妻は相手の眼をまッ直ぐに注視して一足前に進んだ。役人はあざけるように云った。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
あざけるように叫び出したのは充分多四郎の甘言によって江戸の華美はなやかさを植え付けられた彼女山吹に他ならなかった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
道の傍らには小さなあざがあって、そこから射して来る光が、道の上に押しかぶさった竹藪たけやぶを白く光らせている。
闇の絵巻 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
長者が馬籠まごめ峠の小路に掛かり、あざ男垂おたるという所まで来た時、三賊出でて竹槍で突き殺し、宝を奪い去った。
あわれ銀平が悪智慧にあざむかれて、いそいそと先達して、婦人をやすませおきたる室へ、手燭てしょくを取って案内せり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕は母をあざむく材料に自然から使われる自分を心苦しく思って、門を出る時振り返って見たら、母も叔母もまだこっちを見ていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あざるる木間こまのしたみちに、うまなみだ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
白き猫ひそけき見れば月かげのこぼるる庭にひとりあざれぬ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
マーシェンカはさすがに、恥知らずな顔や紫斑あざを人目に曝したくなかったのでしょう、埋葬には立ち会いませんでした。
女房ども (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ほい、飛んでもないこつた、うちのロマーンが帰つて来ましたよ。これあまた青紫斑あざをこしらへられなきやあなるまいが、ホモさん、あんたにもちと具合が悪いわねえ。
お秀の兄を冷笑あざけるような調子が、すぐ津田の次の言葉をおこした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
つんと背くるその顔を、吉蔵ば見て冷笑あざ
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
猥れて嘲笑あざめるはた寒き、 凶つのまみをはらはんと
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
〔猥れて嘲笑あざめるはた寒き〕
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
男共の背後うしろには、あざれた象の皮を被ツた様な、傾斜の緩い砂山が、あたかも「俺が生きて居るか、死んで居るか、誰も知るまい、俺も知らぬ。」と云ふ様に、唯無感覚に横はツて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
日はゆらぎ、濃くもあざれし光明くわうみやう
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
やあ、朱塗の木棍ねっこは、白い膚をさいなみつつ、烏賊のあざれがにおいを放って、また打つとともにムッと鼻をついた。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
路は曲り曲りしていた。路の曲りの樹木の左右に放れた処から見ると、黎明の光を受けてあざれたようになった空の下に、立山の主峰が尖んがった輪廓を見せていた。
立山の亡者宿 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蛆沸き、あざれ、蒼蠅さばへなす神神のおとなひ、
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蛆沸き、あざれ、蒼蠅さばへなす神神のおとなひ、
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「火焔と見せて吾をあざむき、その間に潜入しようとしても、この三太夫は偽むかれぬ。思ったよりも幼稚の術者め! この老人はたばかれまいぞ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此の怨み晴れやらぬものと思へと狼の吠ゆるが如くめき立つるを、何を世迷言よまひごと云ふぞ、とあざ笑ひつ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そうして、終ひに口を閉ぢたみのるが、憫れむやうな冷嘲あざける樣な光りをその眼に漲らして義男の狹い額をぢろ/\と見初めると、義男は直ぐにその眼を眞つ赤にして、
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
桃の節句は女の子の祝うものだけに、煎米、煎豆、菱餅。白酒の酔いにほんのりと色ざした、眼元、口元、ふくよかな頬にまで花のあざやかさを見せたる、やがての春も偲ばるるものである。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
あざるる木間こまのした路に、うまし涙の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
しかして新しき視力わがうちに燃え、いかなる光にてもわが目の防ぎえざるほどあざやかなるはなきにいたれり 五八—六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あめいろをした甕の地にあざのような焼きの斑点しみが、幾十となくあった。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
いよいよ口を利かせません。立つにも立たれはしないから、しばらく腰を据える覚悟をしました。が、何分にも、あざれた黄肌鮪きはだ鬢長鮪びんなが可恐おそろしい。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子供の心身の暗弱四肢耳目の不具は申すまでもなく、一本の歯一点のあざにも心を悩まして日夜片時も忘るゝを得ず。
新女大学 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)