“あざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アザ
語句割合
31.0%
24.5%
23.8%
11.0%
3.1%
0.7%
紫斑0.7%
嘲笑0.5%
0.5%
0.5%
冷笑0.5%
0.5%
0.5%
0.2%
0.2%
冷嘲0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
罵詈0.2%
0.2%
黒痣0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或る時の如きは、友田に夫の冷酷を訴え、自分の二の腕に生々しいあざが出来ているのを見せて、同情を求めた事などもあるそうです。
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
紅き石竹せきちくや紫の桔梗ききょう一荷いっかかたげて売に来る、花売はなうりおやじの笠ののき旭日あさひの光かがやきて、乾きもあえぬ花の露あざやかに見らるるも嬉し。
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
油断してはならぬというそのものの声と、何をこれしきのことと——鼻であざけるいらいらした声が、彼の頭のなかでわめきあっていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
たった一つの名で漠然と呼ばれていた広野でも、家が建ち小路が通れば曲り目ごとに、小さな区劃ごとにあざというものが入用になる。
和州地名談 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
僕は母をあざむく材料に自然から使われる自分を心苦しく思って、門を出る時振り返って見たら、母も叔母もまだこっちを見ていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あざるる木間こまのしたみちに、うまなみだ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
これあまた青紫斑あざをこしらへられなきやあなるまいが、ホモさん、あんたにもちと具合が悪いわねえ。
自分を嘲笑あざけるようにつぶやいたが
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日はゆらぎ、濃くもあざれし光明くわうみやう
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
やあ、朱塗の木棍ねっこは、白い膚をさいなみつつ、烏賊のあざれがにおいを放って、また打つとともにムッと鼻をついた。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つんと背くるその顔を、吉蔵ば見て冷笑あざ
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
蛆沸き、あざれ、蒼蠅さばへなす神神のおとなひ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
以て御尋ね者と成しところかう行衞ゆくゑれざりしに享保も四年となりし頃は最早もはや五六年も立しゆゑ氣遣きづかひなしとは思へどもかたあゐにてあざの如く入墨いれずみをなしひたひにもあごかたちゑがき前齒二枚打缺うちかきて名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「火焔と見せて吾をあざむき、その間に潜入しようとしても、この三太夫は偽むかれぬ。思ったよりも幼稚の術者め! この老人はたばかれまいぞ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
の花の白く咲かむ限り、此の切支丹寺に、われ等の執念残れりと思へ。此の怨み晴れやらぬものと思へと狼の吠ゆるが如くめき立つるを、何を世迷言よまひごと云ふぞ、とあざ笑ひつ。此世は此世限り。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そうして、終ひに口を閉ぢたみのるが、憫れむやうな冷嘲あざける樣な光りをその眼に漲らして義男の狹い額をぢろ/\と見初めると、義男は直ぐにその眼を眞つ赤にして
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
白酒の酔いにほんのりと色ざした、眼元、口元、ふくよかな頬にまで花のあざやかさを見せたる、やがての春も偲ばるるものである。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
あざるる木間こまのした路に、うまし涙の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
しかして新しき視力わがうちに燃え、いかなる光にてもわが目の防ぎえざるほどあざやかなるはなきにいたれり 五八—六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あめいろをした甕の地にあざのような焼きの斑点しみが、幾十となくあった。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
こんな風に第一線で詞戦ことばだたかひをする。双方が時時突貫を試みようとする。女はきい/\云ふ。男は罵る。子供は泣く。そのうち弱いものが二三人押し倒される。気をうしなふ。それを踏み付ける。罵詈あざける。
防火栓 (新字旧仮名) / ゲオルヒ・ヒルシュフェルド(著)
が、何分にも、あざれた黄肌鮪きはだ鬢長鮪びんなが可恐おそろしい。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左の頬に黒痣あざはと聞きましたら夫は確かに覚えぬが何でも大名縞の単物ひとえものの上へ羽織を着て居たと云う事です
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)