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鮾
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あざ
ふりがな文庫
“
鮾
(
あざ
)” の例文
路の曲りの樹木の左右に放れた処から見ると、黎明の光を受けて
鮾
(
あざ
)
れたようになった空の下に、立山の主峰が尖んがった輪廓を見せていた。
立山の亡者宿
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
やあ、朱塗の
木棍
(
ねっこ
)
は、白い膚を
虐
(
さいな
)
みつつ、烏賊の
鮾
(
あざ
)
れが
臭
(
におい
)
を放って、また打つとともにムッと鼻をついた。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
むかッとして胸を
圧
(
おさ
)
えて、
沓脱
(
くつぬぎ
)
へ
吐
(
つき
)
もどすように、庭下駄を探った時は、さっき
別亭
(
はなれ
)
へ導かれた縁の口に、
渠
(
かれ
)
一人、
鮾
(
あざ
)
れた烏賊の燃ゆるのを
樹
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に見つつ、頸筋、両脇に
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鮾
部首:⿂
18画