“わら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワラ
語句割合
38.2%
28.5%
19.3%
微笑3.8%
3.7%
2.3%
嘲笑1.2%
冷笑0.6%
哄笑0.6%
0.3%
0.3%
0.2%
稿0.1%
含笑0.1%
哂笑0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
失笑0.1%
0.1%
爆笑0.1%
瓦剌0.1%
0.1%
薄笑0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
するとおにかおじゅう口にして、ぎえッ、ぎえッ、ぎえッと、さもおもしろそうにわらいました。そうして、大きなをむきしたまま
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
冬なので、薬用の木や草本そうほんは殆んど枯れており、わらで霜囲いをした脇のところに、それぞれの品名を書いた小さな札が立ててあった。
しかし、持彦は悠然ゆうぜんとして水をあび、そしてみそぎの行いをすましたのである。それを見澄みすました上の官人は小気味宜こきみよげにわらっていった。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
これは厄介なことになったと思っていると、やさしく微笑わらいながら、「あなたは誰方でしたでしょうか?」と問いかけるのです。
聖アンデルセン (新字新仮名) / 小山清(著)
たゞをとこうらんでのろひ、自分じぶんわらひ、自分じぶんあはれみ、ことひと物笑ものわらひのまととなる自分じぶんおもつては口惜くやしさにへられなかつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
それがまた、一層可笑おかしいので、橋の上では、わいわい云って、騒いでいる。そうして、皆、わらいながら、さまざまな批評を交換している。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私は自分の莫迦らしい妄想を嘲笑わらい、何時の間にか眼の前で両手を確乎しっかり固めて居るので急いで其の拳を解き、ふう……と溜息を洩らしました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
外交問題が八釜敷やかましくなり掛けた頃と思ひますから——道時が晩餐ばんさんの時、冷笑わらひながら、お前の御自慢の梅子さんも、到頭たうとう海軍の松島の所へ行くことになつたと言ひますからネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
李剛 (いっそう哄笑わらって)まあ、いいですよ。解っている。あのスパイの張首明に、仲間であるようなことを言わせて、うちへ使いに寄こした君の心持ちもわかるような気がする。
御溝の那方あなたに長く曳ける我影におどろきて、傾く月を見返る男、眉太まゆふと鼻隆はなたかく、一見凜々りゝしき勇士の相貌、月に笑めるか、花にわらふか、あはれまぶたあたりに一掬の微笑を帶びぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
赤シャツの農夫は炉のそばの土間に燕麦オートわらを一束敷いて、その上に足を投げ出して座り、小さな手帳に何か書き込んでゐました。
耕耘部の時計 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「狼どの狼どの、わらしゃど返してろ。」
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
このゆゑに此たばねたる稿わらおびにはさみてはなたず。またぎやうの中は无言むごんにて一言ひとこともいはず、又母のほか妻たりとも女の手より物をとらず、精進潔斎しやうじんけつさい勿論もちろん也。
○秋山の人はすべて冬もきのるまゝにてす、かつ夜具やぐといふものなし。冬は終夜よもすがら炉中ろちゆうに大火をたき、そのかたはらねふる。甚寒にいたれば他所より稿わらをもとめて作りおきたるかますに入りて眠る。
雪之丞は、相変らず、焦立いらだちも見せず、含笑わらって
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
と、雪之丞、含笑わらったが、その笑いが凄い。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
実際、もういい加減に身の程を知つてもいい頃ぢや。実を言へば、そろそろ村でも、わしのことを哂笑わらひだしをつたのぢや。その言ひ草が、⦅ほいほい、老爺ぢいさんもすつかりけてしまつたよ。
わしはちやんと知つとる——諸君がこの老人を哂笑わらひ出されるつてえことをな。いやもうそれは真平御免ぢや! では御機嫌よう! もう当分、或はもうこれつきり永久に、お目にはかかりますまい。
和泉の人は依然つめたくわらって歩を試しながらいった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
和泉の国人はからからとわらった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
幸ひ片端かたはしより破落離々々々ばらり/\薙倒なぎたふす勢ひに惡漢どもは大いに驚き是は抑如何そもいか仁王にわう化身けしん摩利支天まりしてんかあら恐ろしの強力や逃ろ/\と云ひながら命からがら逃失にげうせけりまた打倒うちたふされし五七人は頭をわらすね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
即ち鶉居山房はからからとわらひ出した。「蝶々ぢゃあるまいし、わーい、わーい。」と彼が嬉しがると、小学生はてれてしまった。これで私達は洋服屋の若旦那に逢はないで帰れる機運が生れた。
(新字旧仮名) / 原民喜(著)
そして彼女は、滝本の胸に顔をおしつけて堪らなさうに失笑わらひを怺へた。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
女は何もいわずにひそかにわらった。金は女のしたことではないかと思って聞いた。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
大の字に引っくり返って、爆笑わらった。
永楽元年には、韃靼だったんの兵、遼東りょうとうを犯し、永平えいへいあだし、二年には韃靼だったん瓦剌わら(Oirats, 西部蒙古)とのあい和せる為に、辺患無しといえども、三年には韃靼の塞下さくかを伺うあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
二人は道具を入れた小さい行李こうりの様なものを楓の枝ごみの葉かげに置いたり散らばったわらを足で押えてしごきながらひろって居る。
通り雨 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
例によっての懐手、冬次郎は悠々と懐手をしながら、会心そうに薄笑わらった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)