“荒涼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうりょう75.8%
くわうりやう18.2%
あれすさ3.0%
ドレアリー3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
満月の夜だったことをハッキリと後悔こうかいしました。せめて月が無ければ、こんなにまで荒涼こうりょうたる風光ふうこう戦慄せんりつすることはなかったでしょう。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
店はやはり主人のまはりに荒涼くわうりやうとした空気を漂はせてゐる。保吉はいつか少しづつ女のゐないことを忘れ出した。……
あばばばば (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一体、孫八が名だそうだ、この爺さんは、つい今しがた、この奥州、関屋の在、旧——街道わきの古寺、西明寺さいみょうじの、見る影もなく荒涼あれすさんだ乱塔場で偶然知己ちかづきになったので。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
部屋の一体の感じが極めて荒涼ドレアリーであったように記憶する。どうせこういう種類の下宿屋住居で、そうそう愉快な室もないはずであるが、しかし随分思い切ってわびしげな住まいであった。
中村彝氏の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)