自分が中村彝氏を訪問したのはあとにも先にもただ一度である。 田中舘先生の肖像を頼む事に関して何かの用向きで、中村清二先生の御伴をして、谷中の奥にその仮寓を尋ねて行った。それは多分初夏の頃であったかと思う。谷中の台地から田端の谷へ面した傾斜地 …
| 著者 | 寺田寅彦 |
| ジャンル | 芸術・美術 > 絵画 > 絵画 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「木星」1925(大正14)年6月1日 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約4分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約7分(300文字/分) |