“荒寥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうりょう86.7%
くわうれう6.7%
こうりよう3.3%
あれすさ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは本土との交通がほとんどなく、少数の貧しい漁夫たちが、所々の寂しい山蔭やまかげに住んでるような、暗く荒寥こうりょうとした島嶼とうしょであった。
ふなべりに触れてつぶやくやうに動揺する波の音、是方こちらで思つたやうに聞える眠たい櫓のひゞき——あゝ静かな水の上だ。荒寥くわうれうとした岸の楊柳やなぎもところ/″\。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
荒寥こうりようとした自然の中で、田舎の人生は孤立してゐる。婚姻も、出産も、葬式も、すべてが部落の壁の中で、仕切られた時空の中で行はれてゐる。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
その時欧州に基督敵アンチ・クリスト現出して世界を惑乱させ、天下荒寥あれすさむといい、どこにもここにも基督敵産まれたといって騒いだ。