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高麗
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ふりがな文庫
“
高麗
(
こま
)” の例文
そこに一挺の女乗物を置いて、人待ち顔に往来を眺めている郷士風の侍のささやきを聞くと、これはまごうかたなき
高麗
(
こま
)
村の人々です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ぼくは
高麗
(
こま
)
犬の写生をしてるんだよ、どうもね、一つの方が口をあいて一つの方が口をしめてるのがふしぎでならねえ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
高麗
(
こま
)
ねずみのようにきりきり舞いをして、
薬罐
(
やかん
)
、水差し、湯呑みなど病床の小道具一式を枕もとへ運んだのちそこらの物を押し入れへ投げ込んで
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
調布
(
てうふ
)
街道を入つた
狛江
(
こまえ
)
村、昔から
高麗
(
こま
)
人の
裔
(
すゑ
)
が傳へた、秋祭の傅統がその頃まで殘つて居て、江戸では見られぬ異國的な盛大さが觀物だつたのです。
銭形平次捕物控:308 秋祭りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そもそもお客の始まりは、
高麗
(
こま
)
唐土
(
もろこし
)
はぞんぜねど、今日本にかくれなき、紀伊国文左に止どめたり。さてその次の大尽は、奈良茂の君に止どめたり。
紅白縮緬組
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
走るというのだからほぼ踊りかたの想像はつく。これらの歌舞が一わたりすむと、その次が唐及び
高麗
(
こま
)
の舞楽である。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
お
妃
(
きさき
)
はじめおそばの人たちが
心配
(
しんぱい
)
しますと、
高麗
(
こま
)
の
国
(
くに
)
から
来
(
き
)
た
恵慈
(
えじ
)
という
坊
(
ぼう
)
さんが、これは
三昧
(
さんまい
)
の
定
(
じょう
)
に
入
(
い
)
るといって、
一心
(
いっしん
)
に
仏
(
ほとけ
)
を
祈
(
いの
)
っておいでになるのだろうから
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
前年の六月になっても米価はますます騰貴するばかりで、武州の
高麗
(
こま
)
、
入間
(
いるま
)
、
榛沢
(
はんざわ
)
、
秩父
(
ちちぶ
)
の諸郡に起こった窮民の暴動はわずかに
剣鎗
(
けんそう
)
の力で鎮圧されたほどである。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
多胡碑の里から火事がでて馬庭へ飛び火したこともあるそうだ。馬庭の旧家
高麗
(
こま
)
さんは頭をかいて
安吾武者修業:馬庭念流訪問記
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
これを
我野通
(
あがのどお
)
りと称えて、
高麗
(
こま
)
より秩父に入るの路とす。次には
川越
(
かわごえ
)
より小川にかかり、安戸に至るの路なり。これを川越通りと称え、
比企
(
ひき
)
より秩父に入るの路とす。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
朝廷からも
高麗
(
こま
)
の相人へ多くの下賜品があった。その評判から東宮の外戚の右大臣などは第二の皇子と高麗の相人との関係に疑いを持った。好遇された点が
腑
(
ふ
)
に落ちないのである。
源氏物語:01 桐壺
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
たったこの二つだけの動物意識で——つまり
多T
(
ティ・メニー
)
とか
長短
(
ロング・コンド・ショット
)
とかいうような
種々
(
いろいろ
)
な迷路を作って、
高麗
(
こま
)
鼠にその中を通過させる——ものと、もう一つは
蛞蝓
(
なめくじ
)
以外にはない背光性——。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
これは純粋の
雑戸
(
ざっこ
)
で、
熟皮
(
なめしがわ
)
の技術に慣れた
高麗
(
こま
)
人や、
百済
(
くだら
)
人などがこれになったのもありましょうし、
鎧作
(
よろいつくり
)
・
鞆張
(
ともはり
)
・
鞍作
(
くらつくり
)
等、その他一切の皮革を扱うもの、みなこれに属する訳です。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
高麗
(
こま
)
、
新羅
(
しらぎ
)
、
百済
(
くだら
)
、
任那
(
みまな
)
など互に攻略して、其処も安住の地でないので、彼等の中には、交通のやうやく開けたのに乗じ、山紫水明にして、気候温和なるわが国に移住帰化したものが多かつた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
三峰川と中津川では山女魚釣りに谷を
跋渉
(
ばっしょう
)
した。
高麗
(
こま
)
川と名栗川へも行った。多摩川と奥多摩川、日原川、秋川などはここで説明するまでもない。江戸川、中川、綾瀬川など、もちろんのことだ。
水の遍路
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
狭手彦の軍を
卒
(
ひき
)
ひて、
任那
(
みまな
)
を鎮め、また
高麗
(
こま
)
を
伐
(
う
)
ちしことは
書
(
ふみ
)
に見ゆ。
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彼等はどうせ
他
(
ひと
)
の
拵
(
こしら
)
えたものだという
料簡
(
りょうけん
)
で、
毫
(
ごう
)
も人力に対して尊敬を払わない引き方をする。
海城
(
かいじょう
)
というところで
高麗
(
こま
)
の
古跡
(
こせき
)
を見に行った時なぞは、尻が
蒲団
(
ふとん
)
の上に落ちつく暇がないほど揺れた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『日本紀』二四に、
皇極
(
こうぎょく
)
天皇四年四月、〈
高麗
(
こま
)
の学僧ら
言
(
もう
)
さく
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
うぶすなの森のやまもも
高麗
(
こま
)
犬は懐しきかなもの言はねども
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「異国の……」と、万太郎は目を
冴
(
さ
)
えさせて、「異国と申しても、
種々
(
さまざま
)
、
明
(
みん
)
のものか、
高麗
(
こま
)
のものか、あるいは
呂宋刀
(
るそんもの
)
でござりますか」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遠い昔、西を追われたらしい
高麗
(
こま
)
の豪族の一族郎党大人数が、舟で逃げてきて、ここに上陸した。今でもここに高麗神社があり、彼らにとってはここは記念すべき上陸の聖地だった。
曽我の暴れん坊
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
源氏は侍従へ唐本のりっぱなのを
沈
(
じん
)
の木の箱に入れたものへ
高麗
(
こま
)
笛を添えて贈った。
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ここらの海岸は、その昔、
高麗
(
こま
)
人を移住させたあとで、
唐
(
もろこし
)
ヶ
原
(
はら
)
と言ったといいます。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
伝右衛門和泉に向って前備を譲らんことを乞うた。和泉は驚き怒り、軍法をもって許さない。伝右衛門は和泉の鎧の袖にすがって、今日の戦は日本
高麗
(
こま
)
分目の軍と思う。某は真先懸けて討死しよう。
碧蹄館の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
これは
高麗
(
こま
)
の帰化人であるところの、
背奈氏
(
せなし
)
と合してその土地に住み、他の一派は京都洛外の、
太秦
(
うずまさ
)
辺に住居して
秦氏
(
はたし
)
の一族と合体したりしたが、宗家は代々
摂津
(
せっつ
)
、
和泉
(
いずみ
)
、
河内
(
かわち
)
、この三国に潜在して
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
〈
高麗
(
こま
)
の学僧ら
言
(
もう
)
さく
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この一戦は「太平記」に“
笛吹嶺
(
うすいとうげ
)
ノ合戦”として有名である。だがほんとは、多摩、入間、
高麗
(
こま
)
の三郡にかぎられた地域の戦いであった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
高麗
(
こま
)
の
乱声
(
らんじょう
)
(競馬の時に右が勝てば奏される楽)がなぜ始まらないの」
源氏物語:46 竹河
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
この
堂宇
(
どうう
)
の内に納めてある洞白の
仮面
(
めん
)
箱を盗み返し、離れの密室にいる馬春堂を助け出して、この
高麗
(
こま
)
村におさらばを告げる方寸と見えました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元寇
(
げんこう
)
の折、時宗公が元の使いを斬り、また遠くは
高麗
(
こま
)
百済
(
くだら
)
の無礼なる使者を斬ったというような異国との断絶には当然いくらもあり得ることだが……
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奥武蔵の
高麗
(
こま
)
一族をしてその背後を驚かせ、また
芳賀
(
はが
)
貞綱の勢を川越から。武田、薬師寺の軍を狭山から。およそ三面から総がかりで寸断したものとおもわれる。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それらの
眷属
(
けんぞく
)
の祖先は、千余年前、大集団で、海の
彼方
(
かなた
)
から武蔵野へ移住して来た
高麗
(
こま
)
民族の家族と共に、移って来たものと、それより以前から、
秩父
(
ちちぶ
)
の山にいた
純坂東種
(
じゅんばんどうしゅ
)
の山犬と
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高麗
(
こま
)
などの思わぬ敵襲をうしろに聞き、また甲斐方面や海道筋には、富士川からこっち支離滅裂となった味方のなだれと、それを押して来る尊氏の本軍を見るなど、三方敵の重囲にあったのだった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“高麗”の解説
高麗(こうらい、コリョ、; ko.ɾjʌ)は、918年に王建(太祖)が後高句麗王弓裔を易姓革命で追放することで建国し、936年に朝鮮半島の後三国の統一を成し遂げ、1287年から1356年まで元に併合されていた時期があるものの、1392年の李氏朝鮮建国まで続いた国家である。首都は開京。
(出典:Wikipedia)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
麗
常用漢字
中学
部首:⿅
19画
“高麗”で始まる語句
高麗縁
高麗人
高麗焼
高麗橋
高麗蔵
高麗烏
高麗錦
高麗馬
高麗丸
高麗剣