獨樂こま)” の例文
新字:独楽
尊きマッカベオの名とともに、我はいま一の光の𢌞めぐりつゝ進み出づるを見たり、しかして喜悦よろこびはかの獨樂こまの糸なりき 四〇—四二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此世界このせかい地球ちきうとなまろきものにて自分じぶんひながら日輪にちりん周圍まはりまはること、これをたとへば獨樂こまひながら丸行燈まるあんどう周圍まはりまはるがごとし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
われは毛髮さかしまちて、卓と柩との皆獨樂こまの如く旋轉するを覺え、身邊忽ち常闇とこやみとなりて、頭の内には只だしくたへなる音樂の響きを聞きつ。
大空間の地球も掌上の獨樂こまも同じ事であつて、其の能く自ら保ち支へて廻轉して立つて居る間は幾干も無いのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
人寄せの獨樂こまやら、居合拔、三文手品、豆造、弘法樣の石芋いしのいも、安玩具などを聲をらして賣つて居ります。
加之、識る人も識らぬ人も醉うては無禮講の風俗をかしく、朱欒ざぼんの實のかげに幼兒と獨樂こまはし、戸ごとに酒をたづねては浮かれ歩く。祭のあとの寂しさはまた格別である。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
れぞ虎髯大尉こぜんたいゐ大勳功だいくんこう! いましも死物狂しにものぐるひに、本艦ほんかん目掛めがけて、突貫とつくわんきた一船いつせん彈藥庫だんやくこ命中めいちうして、船中せんちう船外せんぐわい猛火まうくわ㷔々えん/\かぢ微塵みじんくだけて、ふね獨樂こまごとまわる、海底かいていよりは海底戰鬪艇かいていせんとうてい
手帳てちやう獨樂こま
歌時計:童謡集 (旧字旧仮名) / 水谷まさる(著)
獨樂こま自分じぶん一度いちどまはるはすなは地球ちきう自轉じてんといふものにて、行燈あんどうかたむきたる半面はんめんひるとなり、うら半面はんめんとなり、この一轉ひとまはり一晝夜いつちうやとするなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
髑髏の色白みたる、髑髏と我との間に渦卷ける香の烟の怪しげなる形に見ゆるなどを、我は久しく打ち目守まもり居たりしに、こはいかに、我身の周圍めぐりの物、皆獨樂こまの如くに𢌞り出しつ。
獨樂こまひながら行燈あんどう周圍まはりまはるはすなは地球ちきう公轉こうてんふものにて、行燈あんどう一廻ひとまはりまはりてもと塲所ばしよかへあひだに、春夏秋冬しゆんかしうとう時候じこうへんじ、一年をすなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)