こま)” の例文
さながら彼女の全身はこまかく彫んだ象牙の置物にそっくりで、一人だけくっきりと白く、濁って不透明な群集の中から明るく透きとおるように浮き出していた。
長峰の下宿の女房かみさんも、権之助坂の団子屋の老婆ばあさんも、私は至るところで千代子の恋の噂を耳にした、千代子は絶世の美人というのではないけれども、大理石のようにこまやかなはだ
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)