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此室
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こゝ
ふりがな文庫
“
此室
(
こゝ
)” の例文
此室
(
こゝ
)
に重なり合ふ樣になつて寢て居るのだが、渠は慣れて居るから、其等の顏を踏附ける事もなく、壁際を傳つて奧の襖を開けた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
此室
(
こゝ
)
が宜からうといふ蔵海の言のまゝ其室の前に立つて居ると、蔵海は其処だけ雨戸を繰つた。庭の樹〻は皆雨に悩んでゐた。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
洗
(
あら
)
はせて
此室
(
こゝ
)
へ
呼
(
よ
)
びたしと
仰
(
おほ
)
せられたに
相違
(
さうゐ
)
はなし
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
お
上
(
あが
)
りなされよと
洗足
(
すゝぎ
)
の
湯
(
ゆ
)
まで
汲
(
く
)
んでくるゝはよも
串戯
(
じやうだん
)
にはあらざるべし
僞
(
いつは
)
りならずとせば
眞
(
しん
)
以
(
もつ
)
て
奇怪
(
きくわい
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
喫烟室
(
スモーキングルーム
)
へ
行
(
ゆ
)
くも
面倒
(
めんだう
)
なり、
少
(
すこ
)
し
船
(
ふね
)
の
規則
(
きそく
)
の
違反
(
ゐはん
)
ではあるが、
此室
(
こゝ
)
で
葉卷
(
シユーガー
)
でも
燻
(
くゆ
)
らさうと
思
(
おも
)
つて
洋服
(
やうふく
)
の
衣袋
(
ポツケツト
)
を
探
(
さぐ
)
りて
見
(
み
)
たが一
本
(
ぽん
)
も
無
(
な
)
い、
不圖
(
ふと
)
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したのは
先刻
(
せんこく
)
ネープルス
港
(
かう
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
のみぎり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
……
先刻
(
さつき
)
に
此室
(
こゝ
)
でお酒あがつてはつたお方も
皆
(
みな
)
行かはりましたんだす。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
渠は成るべく音のしない樣に、入口の硝子戸を
開
(
あ
)
けて、
閉
(
た
)
てて、下駄を脱いで、上框の障子をも開けて閉てた。
此室
(
こゝ
)
は長火鉢の置いてある六疊間。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
烟
(
けふ
)
りを
吹
(
ふ
)
いて
耳
(
みゝ
)
を
立
(
た
)
つれば
折
(
をり
)
から
此室
(
こゝ
)
の
軒
(
のき
)
ばに
移
(
うつ
)
りて
妻戀
(
つまご
)
ひありく
猫
(
ねこ
)
の
聲
(
こゑ
)
、あれは
玉
(
たま
)
では
有
(
あ
)
るまいか、まあ
此霜夜
(
このしもよ
)
に
屋根傳
(
やねづた
)
ひ、
何日
(
いつか
)
のやうな
風
(
かぜ
)
ひきに
成
(
な
)
りて
苦
(
く
)
るしさうな
咽
(
のど
)
をするので
有
(
あ
)
らう
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此室
(
こゝ
)
も又六疊間で、左の隅に据ゑた小さい机の上に、赤インキやら黒インキやらで散々樂書をした紙笠の、三分心の洋燈が、螢火ほどに
點
(
とも
)
つて居た。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『秋になつたら私が
此室
(
こゝ
)
にゐる樣にしようか知ら!』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『よろしい。
此室
(
こゝ
)
へお通し申して呉れ。』
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
室
常用漢字
小2
部首:⼧
9画
“此”で始まる語句
此方
此
此処
此家
此奴
此處
此間
此所
此頃
此様