“はっき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
発揮29.6%
明瞭18.5%
白気13.0%
判然11.1%
鮮明7.4%
5.6%
判切3.7%
白旗3.7%
分明1.9%
判明1.9%
白鬼1.9%
瞭然1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくのごとき場合においては一時的の感情と見ゆるものがけっしていわゆる一時的感情にあらずして、先天的感情の発揮はっきである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
もっと明瞭はっきり云えば、シュテッヘをかくまった、URウー・エル—4号に、乗り込んだのを最後に、艇長の地上の生活は失われたことになりましょう。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
博士の云うとおり、○○獣の落ちた穴の中からは、最前までゆうゆうと立ちのぼっていた白気はっきは見えなくなっていた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おそらくその苦しさは、大きな広告のように、私の顔の上に判然はっきりした字でり付けられてあったろうと私は思うのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
不思議のことには暗夜であるのに四辺あたりの闇とは関係なく女の姿ばかり鮮明はっきりと暗さに浮かんでいるのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分のおちぶれたことがはっきりして来て、彼は涙を止められなかった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
「ええ、ほかの事ならですが、それだけは御免ごめんです」と自分は判切はっきり云い切った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さしも世界に誇った米国の太平洋大西洋の聯合艦隊も、わが海軍の沈着な戦闘によって、半数は、太平洋の海底深く沈み、残りの半数は戦闘力を失い、或は白旗はっきをあげて降服いたしました。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
分明はっきり返事をして、小気味よく小用をたしていた——尤もむずかしい仕事ではない、家のなかの雑用だが——彼は見かけだけは稜々りょうりょうたる男ぶりだった。
しかしその退屈のうちには一種の注意がとおっていた。彼はこの老人が或日或物を持って、今より判明はっきりした姿で、きっと自分の前に現れてくるに違ないという予覚に支配された。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、横へ取ったは白鬼はっきの面。端麗にして威厳あり、眉美しく、目の優しき、そのかんばせ差俯向さしうつむけ、しとやかに手をいた。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
瞭然はっきりした買いたさを自分が感じていたのかどうか、自分にはどうも思い出せなかった。宙を踏んでいるようにたよりない気持であった。
泥濘 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)