はっき)” の例文
専門外のこととてはっきりしたことは判らなかったが、とにかく、簡単ながら、男湯の電気風呂へ、何かの仕掛けがほどこされていることだけは、誰にも首肯しゅこうされたのであった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
自分のおちぶれたことがはっきりして来て、彼は涙を止められなかった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
轟と凄まじい音と共に機体がスイと空に吸い上げられて、今迄太い細い線模様を描いていた地面が、忽ち野や山や人家が箱庭のように、小さくはっきり見える迄に収縮して了う。もう五百メートルの高空なのだ。
旅客機事件 (新字新仮名) / 大庭武年(著)
懐中電灯の光芒ひかりが縦横に飛び動いて、四辺あたりの状態をそれぞれの眼にはっきりと映して呉れた。そこは、上って見ると、こうも広々としているものかと思われる程、ゆったりとした天井裏であった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)