“ありあり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
歴々59.2%
歴然22.5%
明白2.8%
瞭々2.8%
在々1.4%
明々1.4%
明々地1.4%
明々白々1.4%
明歴1.4%
明瞭1.4%
(他:3)4.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これを聞いた芳子の顔はにわかにあかくなった。さも困ったという風が歴々ありありとして顔と態度とにあらわれた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
マザ/\と見えている壱万円也と云う金額が、杉野や木下等の罪悪を、歴々ありありと語っているように、子爵には心苦しかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
して見れば、此の、その銭は渡されぬという簡単な文句には、あの先達ての様子といい、長田の性質が歴然ありありと出ている。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
目をいて耳をすますと、物音は聞えないで、かえっ戸外おもてなる町が歴然ありありと胸に描かれた、やみである。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ことに寝起の時の御顔色は、いつすこし青ざめて、老衰おいおとろえた御様子が明白ありありと解りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
——彼地あちらに行っても面白くないから、それで、またしても戻って来たのだが、斯うしていても、あの年齢を取った、血気ちのけのない、悧巧そうな顔が、明白ありありと眼に見える。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
——思うともなく、その日のことが思いだされて、未だにその時の光景ありさま瞭々ありありと目に浮んで来て堪えられぬ。
老婆は私がうするかと思って、冷かに睨んでいるのが瞭々ありありと分った。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ありゃマシュースだ」スパイダーの顔には在々ありありと恐怖の色が現われた。
赤い手 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ほのかな月光げっこうすかした春重はるしげおもてには、得意とくいいろ明々ありありうかんで
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
眼のふちには泣きただらしたあとの残っているのが明々地ありありと解る。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
半平の奇怪な言葉に、ひとすじの偽りもないことは、明々白々ありありあらわれている。
現代忍術伝 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
それから今朝「精神的に接するわ」と言った、あの時のこと、その他折によって、種々いろいろに変って、此方こちらの眼に映った眉毛、目元口付、むっちりとした白い掌先てさき、くゝれの出来た手首などが明歴ありありと浮き上って忘れられない。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
静子の目には、兄と清子の間に遠慮が明瞭ありありと見えた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それでは本栖湖のその水城こそは纐纈城ではあるまいか? ……それに自分の持っているこの紅巾へ現々ありありとかつて父上の御名があらわれ、しかも謹製と頭に大きく、土屋庄八郎昌猛とやや離れて記されてあったが
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
つくづくひとり歎ずる時しも、台所のしきりの破れ障子がらりと開けて、母様これを見てくれ、と猪之が云うにびっくりして、そなたはいつからそこにいた、と云いながら見れば、四分板六分板の切れ端を積んで現然ありありと真似び建てたる五重塔、思わず母親涙になって
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)