“あらわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アラワ
語句割合
34.6%
19.7%
16.7%
7.2%
4.6%
露呈2.1%
露出2.1%
露骨1.6%
1.4%
0.9%
0.7%
0.7%
象徴0.7%
表現0.5%
0.5%
0.5%
明白0.5%
露顕0.5%
0.5%
表明0.2%
具象0.2%
出現0.2%
実現0.2%
0.2%
0.2%
暴露0.2%
0.2%
発覚0.2%
発顕0.2%
表情0.2%
0.2%
0.2%
顕明0.2%
顕然0.2%
顕現0.2%
顕著0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
坂は急ならず長くもあらねど、一つつくればまたあらたにあらわる。起伏あたかも大波のごとく打続きて、いつたんならむとも見えざりき。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして私達の不和ももうどうにもならないところまで行っているのをその事でお前にあらわに見せつけられたような気がしたのだった。
楡の家 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
ですがこんな逆境から生れて、しかもそれが美術家たちでさえ、たやすくは生めぬほどの美しさをあらわすのですから不思議であります。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
彼が新年の賀状を兄に送るや、たちまちその本色を顕わして曰く、「一度ひとたび血を見申さざる内は、所詮しょせん忠義の人もあらわれ申さぬかと存じ奉り候」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それは望みの絶えた救われない人間をよくあらわしていて、ちょうど、飢えた旅人が、曠野の中をただ独りさまようて疲れ果て、行き倒れて死ぬ前に
乱れた姿で、中形青海波せいがいはの浴衣の腕を露呈あらわに、片手に黒いかめいだき、装塩もりじおをしながら、つまんだなりを、抜いて持った銀のかんざしの脚で、じゃらすように平直ならしていた。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その柔かい膝に、友染も露出あらわになるまで、石頭の拷問ごうもんに掛けて、芝居で泣いていては済みそうもないんだが。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
肘まで露骨あらわに出た、象牙細工のような両手を前にさし出して、足をつま立てて、おるのでござります。もすそは道の露にぬれて、袖ばりが夜風に払われて、ハタハタと翻ります。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
譬えば鍍金めっきせるものの角々に真のきじあらわるるが如しなどおもう折しも、按摩あんま取りの老いたるが入り来りたり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
家厳かげんが力をつくして育し得たる令息は、篤実一偏、ただめいこれしたがう、この子は未だ鳥目ちょうもくの勘定だも知らずなどと、あらわうれえてそのじつは得意話の最中に
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼女の小さい、あらわの、しろがねのような足は、下の黒い鏡のごとき大理石の中にきらめいていた。
フト魔がしたような、髪おどろに、骨あらわなりとあるのが、鰐口わにぐちの下に立顕たちあらわれ、ものにも事を欠いた、ことわるにもちょっと口実の見当らない、蝋燭の燃えさしを授けてもらって
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは、諸法具足を象徴あらわした曼陀羅の模様であった。血で描かれた曼陀羅紙帳は、諸所ところどころ切り裂かれ、いまだに血をしたたらせ、ノロノロとしたたる血の筋で、尚、如来の姿や伽藍の形を描いていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこを、多宝塔中、釈迦多宝の二仏の並座で表現あらわしたのです。つまり私たちの身体、一名多宝塔です。多宝というくらいだから、私たちの身体には万宝が含み備わっているに違いない。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
これをうちに誠あれば必ず外にあらわるというなり。いやしくも心をおさめずして、いたずらに外形をせむるは、あたかも方物につきて円影を求るがごとし。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
それから陶謙の徳行や遺業を表にあらわして、これを朝廷に奏した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お登和嬢は明白あらわにそれとも言い兼ね「イイエ、別にどうも致しませんが何だか気分が悪くって」中川「何で気分が悪い」お登和嬢「イエモー大概なおりました」といて元気をよそおいて兄の懸念を
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
なよやかな白い手を、半ば露顕あらわに、飜然ひらりと友染の袖をからめて、紺蛇目傘をさしかけながら
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
公園の一方にあらはれ候時こそ怪獣は物凄ものすさまじきその本色ほんしょくあらわし、雄大なる趣を備へてわれわれの眼には映じたれ。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかるに十六章十九節に至れば「よ今にてもわがあかしとなる者天にあり、わが真実を表明あらわす者高き処にあり」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
よ今にてもわがあかしとなる者天にあり、わが真実まこと表明あらわす者高き処にあり」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ウッスリと開き初めて、永遠の静けさを具象あらわす白眼と黒眼が、なごやかに現われ初め、固い一文字を描いていた唇が心持ほころびて、白い歯並がキラキラと輝き現われた。
眼を開く (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そしてなかなか捕らず、段々大評判になってくると方々に何々強盗というようなものが出現あらわれてきて、随分騒ぎましたね。
耳香水 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
彼は痴人の模倣に心を砕いた。それを自分の身に実現あらわそうと試みた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
僕は腕時計にあらわれる、午後十時半の指針をみて立上る。
洪武十七年、太祖高皇帝の御恩ぎょおんこうむりて、臣が孝行をあらわしたもうをかたじけなくす。巍すでに孝子たる、まさに忠臣たるべし。孝に死し忠に死するは巍の至願也。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そこでたいていの人は、ために神経衰弱になってしまう。あるいは何かの拍子で、その素性が暴露あらわれて、折角築き上げた営業の基礎もといをも、空しく棄てねばならぬことになるのです。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
その布のよごれは火にあらわれるようにとれてしまうとうので、火浣布かかんぷと名づけたのでした。
平賀源内 (新字新仮名) / 石原純(著)
かくて他われを欺きしも、もしこののち和殿に逢ふことあらば、事発覚あらわれんと思ひしより、再び今日も森に忍びて、和殿を射んとはしたりしならん。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いましはた我に先だちて行かむ、はた我や汝に先だちて行かむ、こたえて曰く吾先だちてみちひらき行かむ云々、因りて曰く我を発顕あらわしつるは汝なり、かれ汝我を送りて到りませ、と〉とて
と、龍山公は、待ちこがれていた気持を制しきれなかった。ほとんど、他愛がないほど、うれしさを表情あらわして
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宝治ほうじ元年の六月、前将軍頼経よりつねを立てようとして事あらわれ、討手うってのために敗られて、一族共に法華堂ほっけどうで自害した三浦若狭守泰村わかさのかみやすむらという人の名なぞも出て来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
言葉は簡単ですが、そのあらわす所の意味に至ってはまことにふかいものがあるのです。しかし、手っ取り早く、その意味を申し上げれば、つまりこうです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
施済ほどこしは隠れて為すべきである、右の手の為すことを左の手に知らしむべからずである、然れば隠れたるにたまう神は天使と天の万軍との前に顕明あらわに報い給うべしとのことである(同六章四節)
霜威そうい凜冽りんれつたる冬の夜に、見る目も寒く水を浴びしとおぼしくて、真白の単衣ひとえは濡紙を貼りたる如く、よれよれに手足にまといて、全身の肉附は顕然あらわに透きて見えぬ。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
多くの用意のなかから、たしなみの顕現あらわれる場合は、実に百分率パーセンテージに支配されるようです。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのゆえは神につきて知りうべきことは彼らに顕著あらわなればなり。神これを顕わし給えり。
もし、鬼神の霊知、断ぜざることをあらわすときは、すなわち知る、死後、気散じてたちまち無なるにあらざることを、云云
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)